気温は10度を下回り、路面温度も13度という厳しい状況下で3周のフォーメーションラップの後に決勝のスタートが切られた。セカンドグリッドスタートの井口/山内組が一気にトップを奪うが吉田/川合組は9周目にはトップを奪い返し、そこから一気に後続を引き離すハイペースで快走した。
レースの序盤には決勝中のファステストラップタイムを連発。28周してスタートドライバーの川合がピットイン。吉田に交代しタイヤは無交換、ガソリンを補給しただけでふたたびレースに復帰した。トップの座は変わらず、終わってみればクラス内すべての車両を周回遅れにするという圧倒的な速さを示して優勝。
一方、チャンピオン争いは蒲生/菅波組と藤波/オリベイラ組との間で演じられた。レース中盤から順位アップして来た藤波は54周目にライバル蒲生組をパスして2位へ上がり、そのままのポジションでゴールしてチャンピオンを獲得した。
<優勝ドライバーのコメント>
吉田広樹「開幕戦で勝って自らハードルを上げ、その後に勝てませんでした。タイヤ無交換のためにブリヂストンに良いタイヤを供給していただいていたのに自分たちのミスで勝てなかった」
「今回タイヤに優しいセッティングをチームがしてくれて、平沼代表が周りの状況をスポッターとして知らせてくれて、チームの総合力で勝てて、その気持ちに応えることができました。チャンピオンを獲れなかったのは悔しいですが、来年は絶対に獲ってやります」
川合孝汰
「フォーメーションラップでうまくタイヤを温めることができずに抜かれてしまいました。でもタイヤが温まってきたらペースを上げることができて、トップを奪い返すことができました」
「しかし、タイヤを少し酷使してしまって、吉田さんに少し辛い思いをさせてしまったと反省しています。素晴らしいクルマに仕上げてくれたチームとブリヂストンタイヤ。緊張をほぐしてくれたスタッフさん、そしてスポッターまで買って出てくれた平沼さん。チームの皆さんの期待に応えることができました」
「今年多くを学ばせていただいたことをこれから良い成績を出せるように生かしていきます」
<ブリヂストン MSタイヤ開発部マネージャー:山本貴彦のコメント>
「正に圧倒的な速さで吉田/川合組が優勝しました。サポートさせていただいたタイヤもこの寒いコンディションのなかで無交換作戦に完璧に対応できました」
「本当にひとり旅という状況でした。チャンピオン争いでは追い上げてきた藤波/オリベイラ組がタイトルを獲得しましたが、優勝チームをはじめサポートチームのパフォーマンスは高かったと思います。来シーズンは、ふたたびタイトル獲得に向けて努力します」