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スーパーGT ニュース

投稿日: 2021.04.15 16:11
更新日: 2021.04.16 18:36

新企画・スーパーGTドライバー勝手にお悩み相談ショッキング Vol.2 阪口晴南さん

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スーパーGT | 新企画・スーパーGTドライバー勝手にお悩み相談ショッキング Vol.2 阪口晴南さん

──では、これまでのキャリアで辛かったことはなんですか?
阪口さん:う〜ん……。ホンダさんの育成を外れたことじゃないでしょうか。あれは自分のレースキャリアにおいて悔しい意味でいちばん印象に残っているシーンですし、ずっとホンダさんの育成でやってきて、いきなり16歳でF3デビュー(当時は限定ライセンスでの参戦)し、カートでもチャンピオンを獲ってスクールも合格して、誰が見てもトントン拍子だったと思うんです。そんな順調に来た自分のレースキャリアからしたら、育成を外れるのはいちばんの挫折だったと思います。あのときの年末年始は本当に辛かったです。

──その後のことを、言える範囲で教えて下さい。阪口家はINGINGさんと近い存在だと思うのですが。
阪口さん:INGINGさんには以前から良平さんがお世話になっていたのですが、それくらいだと思います。良平さんを通じてご挨拶させていただくことはありましたが、直接面識はありませんでした。そんななかで、その頃、K-tunes Racingは岡山トヨペットさんとINGINGと共同でやっていたので、代表のおふた方と初めてお会いしたんですね。そこからなので、なんと言ったらいいのかな、お二方は僕からしたら正直“救世主”ですね。

──昨年のスーパーフォーミュラ・ライツにはB-MAX RACING TEAMから参戦しましたが、その参戦の背景にもINGINGさんからちょっとサポートがあったのですか?
阪口さん:ちょっとじゃないですね(笑)。結構しっかりとサポートをしてもらいました。

──そこからスーパーフォーミュラまでたどり着いたということですね。人生何があるか分からないですね。
阪口さん:分からないですね〜。本当に3年前の自分からは想像できないです。昔からスーパーフォーミュラには出場したいと思っていましたが、まさかこのチームからデビューできるとは思ってもいなかったです。それこそ2015〜2017年あたりはこのチームの黄金時代だったので、今そのチームに自分が乗れているというのが不思議な気持ちです。

──なるほど。で、最近悩みはありますか? レースのことでもプライベートのことでも良いですよ。その悩みを次のお友だちにどう解決したらいいのか相談したいと思います。
阪口さん:悩みですかぁ。う〜ん。難しいですね。お友だちについては、前回先輩(石浦選手)からこのバトンを繋いで頂いたじゃないですか。なので、あえて先輩に返そうかなと。

──……!?
阪口さん:流れ的に同期にいくような感じではなく、もう一度目上の方にバトンを繋ごうという意味で。新田守男さんでどうでしょう?

──……難しいところ来ましたね(笑)。たしかに新田さんは超優しくて、いろいろと教えてくれますけど、なんかプライベートのことは聞けないなぁ。
阪口さん:まぁまぁ(笑)。石浦さんはプライベートのことは話してくれたんですか?

──あんまり話してないですがね。……じゃあお悩みはどうしましょうか?
阪口さん:レースの方は、ありがたいことに乗せていただきたいところに乗せてもらっているし、スーパーGTも開幕戦はどうなるか分からない(この取材はSF第1戦時に実施)ですがうまくいっているので、特にレースについてのお悩みはないですが、その悩みを自分で考えられるようにならないといけないなとも思っています。

2021年スーパーフォーミュラ第1戦富士決勝
2021年スーパーフォーミュラ 阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)
2021年スーパーフォーミュラ第1戦富士決勝
スーパーフォーミュラ第1戦富士決勝で8番手を争う阪口晴南と宮田莉朋

■阪口晴南さんのお悩み

──ふむふむ。
阪口さん:あえてそれ以外のことでお話しすると、『人の気持ちをそこまで深く考えない人間』で育ってきてしまいました。レーシングドライバーやスポーツ選手にはありがちかもしれないですが、自分が結果を出すためには、いかにストイックさを積み重ねていくかじゃないですか。なので人の感情を考えたり、相手が『こう思っているのかな?』というのに、ちょっと疎いんですよ。ひとりっ子のB型というのもあるのかもしれないですが、知らぬ間に相手を傷つけているんじゃないかという想いがあります。

──ほうほう。
阪口さん:長く僕の友達でいてくれている友人も、僕には『そういうところがある』と分かっていながらも付き合ってくれていて、すごく優しくてイイ奴ばかりなんです。そういう周囲に甘えてきたのかもしれないですけれどね。

──とはいえ、ずっとそれじゃ良くないですからねぇ。
阪口さん:そうなんです! なので『どうすれば人を思いやることができますか?』ということを新田さんに聞きたいです。新田さんはすごく優しくて、それこそレースのことも僕がペーペーで入ってきて、新田さんは何十年というレースキャリアがあって、GT300クラスでは最多勝じゃないですか。

──そうですねぇ。
阪口さん:なのに僕が入った1年目のとき、僕が『こうしたいんですけど』というアイデアを取り入れてくださって、エンジニアさんに対する僕の発言が至らない点も間に入ってカバーしてくれて、より分かりやすく伝えてくれたりもしてくれました。それで僕のパフォーマンスも上がるし、なんというか、若手のこともきちんと思いやってくれます。
 変な言い方かもしれないですが、自分よりも下の立場の人にも、すごく気を遣われる方なんですよ。そういうところが尊敬できますし、だからこそふたりで良い結果を残せました。ということで、ちょっと先の話かもしれないですが、もし僕が長くレーシングドライバーを続けられたとして、いつか後輩たちに指導しなければいけない立場になったとき、『人のことを考える』『思いやる』にはどうすれば良いのかなと。今すぐ取り入れるわけではないですが、将来どうすれば……というところが聞きたいです。

──なるほど。ではそれを聞いてみましょう。
阪口さん:汗かきそうです(笑)。

──では最後に。今シーズンの意気込みをお願いします!
阪口さん:スーパーフォーミュラは、ルーキーイヤーで本当にたくさんの方に支えてもらいました。ひと言でまとめられそうにないですが、スーパーGTのK-tunes Racingの話もそうで、すべてのことが繋がって今このスタートラインに立つことができているので、そこにはとにかく感謝です。出るからには、1年目でなかなか最初はリザルトが安定しないかもしれないですが、目立つレースというか、ルーキーらしく思いきり走り、1勝をつかんでシーズンを終えたいなと思います。

 スーパーGTは、まだ体制が確定はしていませんが、速く走るということは両カテゴリーとも一緒だと思います。もし代役でGT500クラスのチャンスが頂けるのであれば、それはそれでチームのために全力で走って良い結果を残さないといけないですし、GT300クラスのK-tunes Racingでは、昨年は悔しい思いをしたので、今年は体制もすべて同じ状態で挑みます。だからこそ自分たちの真価が問われると思うので、しっかりと結果を残したいと思います。

──ありがとうございました!

* * * * *

 というわけで、2回目にしてちょっぴりマジメ(?)なような、阪口晴南選手らしい爽やかな取材になりました。そして、すでに次回の新田守男選手への取材も終了致しました。阪口選手の悩みへの回答はいかに……? そして新田選手は誰を紹介したのか……? 次回もお楽しみに!

2019年からGT300でコンビを組んできた新田守男と阪口晴南
2019年からGT300でコンビを組んできた新田守男と阪口晴南


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