決勝は19番グリッドから、僕がスタートを担当。行けそうかどうか、ではなく「行くしかない!」という気持ちでした。

 僕たちはトップスピードが速くなく、レースが落ち着いてしまうと抜いていくのが難しいので、序盤の混戦のうちに順位を上げる必要があります。そこは僕も自信がありますし、実際去年は僕のスティントでは必ず前のマシンを抜いています。なるべく前で卓ちゃんにバトンタッチし、守り切るというのが僕たちの王道パターンです。

 でも、毎回プレッシャーなんですよ。チームからは「スタートでこれだけ抜いて、ピットインまでに何秒差をつけてこい」って言われますから(笑)。

 今回はスタートして数周で3〜4台を抜くことができました。だけど、そこから上がっていくのがなかなか難しかった。昨年まではもう少し重量も軽く、たとえば岡山ならトルクを活かしてWヘアピンを鋭く立ち上がり、次のマイクナイトコーナーまでに前に出る、というような戦いもできたのですが、今年は重量のせいかその加速の領域が良くなくて……。加えて、タイヤがハード側だったことでトラクションのかかりも厳しく、そこで勝負することができませんでした。一方で、タイヤのライフにはまったく問題がなさそうな感覚はありました。

 そんな感じでもがきながらレース中盤に差し掛かかる頃、Wヘアピンひとつめあたりを走っていたときに「1コーナーで黄旗!」と無線が入りました。数秒後、ピットロード入口ギリギリのところで「ピット入って!」と。前に10号車がいて、それに続いてピットへと飛び込みました。

 突然のピットインにも関わらず、チームは完璧な作業をしてくれたのですが、隣のピットのクルマがトラブってしまっていて、卓ちゃんが出ていくタイミングでロスがありました。ステイアウトしていた車両にラップダウンされてからのセーフティカー導入となり、後半はさらに厳しいポジションとなってしまいました。

2021スーパーGT第1戦岡山 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)
2021スーパーGT第1戦岡山 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)

 本来は45周目くらいまでピットインを引っ張って、前半の他のダンロップユーザーの状況を見て、後半のタイヤを決めたかったのですが、50周ほど残っている状態では卓ちゃんも僕と同じハード側を履くしかありませんでした。

 レース結果は15位。不安要素である決勝のロングランという部分は、ちゃんと走れましたし、確認できました。他のダンロップユーザーもソフト側を使ってちゃんと最後まで走れているようなので、その部分の不安要素は消えましたし、次から自信を持っていける部分もあると思います。

 ただ、いかんせん自分たちが決勝でソフト側のタイヤを履くことができなかったので、本当に大丈夫だろうか? という気持ちは完全になくなってはいません。決勝での周囲のラップタイムを見る限りでは、「軟らかいタイヤを使えるようにならないと勝てないのかな」と僕個人としては思っています。一発には自信があるので、「軟らかいタイヤでのロングラン」でライバルとの差を出せるように、これからも取り組んでいきたいと思います。

 今回のコラムは初回ということでレースの内容が中心になってしまいましたが、次回以降はさまざまな話題もお届けしたいと思っています。引き続き応援のほどよろしくお願いします! 第2戦後の、卓ちゃんのコラムもお楽しみに。

本日のレースクイーン

五十嵐みさいがらしみさ
2026年 / スーパーGT
埼玉Green Braveサポーターズ
  • auto sport ch by autosport web

    20歳でスーパーGTの最高峰に挑む“新人”小林利徠斗に迫った『FORMATION LAP』2026年第1弾が6月5日に公開

    ふつうとちょっとズレてる──20歳で最高峰に挑む新人ドライバー【FORMATION LAP Produced by auto sport】2026 Episode 1

  • auto sport

    auto sport 2026年8月号 No.1622

    [特集]│多│角│検│証│
    なぜ、日本人はF1で勝てないのか?
    いつか夢を実現するために過去から学ぶ

  • asweb shop

    掘り出し物満載の特別企画『モデルカー祭り!』がautosport web shopで開催中。6月25日まで

    レア物や特別価格商品が満載!
    6月25日まで