絡みあう2台の橙色。ENEOS X PRIME GR Supraの山下健太を、au TOM’S GR Supraの坪井翔が激しく追う。彼ら25歳の若武者たちの息詰まる首位争いは、延々に続くかのように思われた。75周目のブレーキング競争に敗れた坪井がサンドエリアに突っ込み砂煙を上げるまでは……。
2021スーパーGT第1戦岡山の流れが変わったのは、それに先立ち33周目にセーフティカーが入ったときだった。そのとき2番手を走行していたENEOS X PRIME GR Supraの大嶋和也は、迷うことなくピットに飛び込み山下にバトンタッチ。『モリゾウ』こと豊田章男トヨタ自動車社長がチームオーナーを務めるROOKIE Racingのメカニックは、抜群に速いピット作業で山下をコースに送り出した。