昨年40歳を迎えドライバーとしてベテランの域に達している吉本は、GTでは2018〜19年には宮田莉朋、2020年からは河野と、若手ドライバーと組み、彼らをリードしながら戦う立場でもある。“最近の若手”たちを、吉本はどう見ているのだろうか。

「僕も(キャリアの)スタートは遅かったですが、それでも僕らの頃は“体育会系”だったと思うんですよ。最近はFIA-F4でも若手をずっと見てきましたけど、なんかこう元気がないというか……。たとえば朝の挨拶も『おはようございますっ!』みたいなのはなくて、数年前までは『なんやねんこいつら』って正直思ってたんです」

 その印象が変わったのは、2018年に宮田とコンビを組み始めてからだという。

「莉朋も(体育会系とは)真逆じゃないですか。でも、独特のスタイルを持っているし、『こういうのもアリなんやな』という、柔らかい目で見れるようになった気がしますね」

「もちろんパフォーマンスがすべての世界ではあるんですけど、やっぱりスポンサーありきのスポーツなので、表向きの顔というのもしっかりとしておかないといけない。『自分が商品だというつもりでやらないといけないよ』というのを、若手みんなに言っています」

「そういう意味では、莉朋は2年間一緒にやっていくなかで人間性もすごく変わった。僕らは関西のチームで非常に明るいとうか、あまり気を使わず、緊張せずにレースできる環境というのを与えられたんじゃないかと思います」

 2020年、宮田に代わってその環境に飛び込んできたのが河野だった。

「駿佑に関してはずっと前から一緒に(RSファインのデータエンジニアとして)チャイナGTとかスーパー耐久なんかをいろいろやっていますし……でもあいつ、まだボケとツッコミができてないんで、そこら辺は僕の教育がまだまだだなと(笑)」

 富士では、予選Q1とスタートを河野が担当した。吉本が「今回はQ1とスタート、やるんでしょ?」と唆した結果のことではあるようだが、それを拒否しなかった河野の姿勢に「今年は手応えを感じているんだと思います」と吉本。

「莉朋も駿佑もそうですけど、走り始めから目立ったミスとかはないんですよ。でも若手なんでね、公式練習なんかはもっとガンガンに行ってもいいと思う。たぶん、飛び出したら怒られるというのをお父さん(RSファイン河野高男エンジニア)から学んだんでしょうけど(笑)。でも若手とはいえ全然安心して見ていられるし、ますます磨きがかかってきていると思いますよ」

「あとは駿佑がGTと同じくらいの自信を持って、スーパーフォーミュラ・ライツで頑張ってくれたらいいんですけどね」と、吉本は河野のフォーミュラでの飛躍も願っている。

 あとは、もう少しの“ワイルド化”だ。

「すごい優しい性格をしてるんで、もうちょっと不良に仕立て上げようかなと思ってます。とはいえディーラーチームなので、あまり悪いイメージを付けすぎず、“お上品”に(笑)」

2021スーパーGT第2戦富士 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT(吉本大樹/河野駿佑)
2021スーパーGT第2戦富士 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT(吉本大樹/河野駿佑)

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