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スーパーGT ニュース

投稿日: 2021.07.18 23:50
更新日: 2021.07.19 00:09

LMcorsa 2021スーパーGT第4戦もてぎ 決勝レポート

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スーパーGT | LMcorsa 2021スーパーGT第4戦もてぎ 決勝レポート

S-GT2021 Rd4 Motegi Final
LMcorsa REPORT
#60 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT

23番グリッドから追い上げを図ったSYNTIUM LMcorsa GR Supra GTは、ドライバー、チームともに300kmのレースをミスなく走り切るが、69kgのウエイトが影響し、ポイントまであと僅かの12位でゴール

気象データ

気温:33度、路面温度:51度(スタート時)

 今シーズンは予定していたスケジュール通りに開幕を迎えた『AUTOBACS SUPER GT 2021 SERIES』。ゴールデンウィークに実施された第2戦の富士スピードウェイラウンドも観客を入れての開催となったものの、5月末に予定していた鈴鹿サーキットでの第3戦は新型コロナウイルスの感染拡大の影響によって8月に延期となった。

 そのためゴールデンウィークから約2カ月のインターバルを挟んでの開催となったのが第4戦『MOTEGI GT 300km RACE』になる。7月17日(土)に公式練習と予選が、18日(日)に決勝レースが実施された。

 今季からGR Supra GTにマシンを変更したLMcorsaはシェイクダウンから間もない開幕戦で入賞を果たすと、続く長丁場の500kmレースでは予選から速さをみせてわずか2戦目で優勝を掴み取った。LMcorsaは好調な滑り出しをみせチームの士気も高く、第4戦のツインリンクもてぎでも上位入賞を目指して準備を進めてきた。

 ただ2戦で23ポイントを積み重ねたことで、獲得ポイント×3kgのサクセスウエイト69kgを搭載しなければならない。ライバル勢もポイントを加算すればサクセスウエイトを載せるのだが、シーズン序盤で70kgにせまるウエイトを搭載することはかなりの足かせとなることが予想された。

 17日に実施された公式練習ではマシンのバランスや感触は良いものの、加速が鈍く重たさを感じるというのがふたりのドライバーのフィードバック。そのとおりで公式練習はトップから約2秒離される厳しい結果となった。予選では多少の改善がみられたものの予選Q1を突破することは叶わず、決勝レースは23番手からのスタートとなった。

 迎えた決勝レース日の18日は早朝から夏の日差しが照り付け、午前中から30度に迫る暑さとなった。レースがスタートした13時には気温33度、路面温度51度となり、ドライバーやチームともに過酷な状況下での300kmレースが始まった。

 スタートドライバーを務めたのは吉本大樹選手で、オープニングラップにひとつポジションを上げると4周目には自己ベストタイムをマークするが、先行するマシンを抜きあぐねる展開となってしまう。ラップタイムは上位陣から2秒~3秒離されていて、周回するごとにギャップが開いていく。

 それでもポジションをキープしたまま10周が終了する。15周を過ぎるとラップタイムが落ち始めたため、チームは21周目にピットインの指示を出した。吉本選手から河野駿佑選手にドライバー交代を行うとともに燃料を満タンにし、4本のタイヤ交換を実施した。

 20周目前後は最低周回数でピットインを行ったマシンとタイミングが重なり、コース上の順位では24番手となっていたが、チームの敏速なピットストップのお陰でスタートポジションより順位を上げることとなった。約40周のロングスティントを担当することとなった河野選手は、タイヤマネジメントを心掛けて序盤を走ったというが、24周目には自己ベストタイムの1分51秒786をマークしてポジションを上げていく。

 30周目までの6周の間に先行車の接触もあったが6台をパスして16番手まで順位をアップさせる。38周目には車両トラブルによってマシンがコース脇に止まったために初のFCY(フルコースイエロー)が提示された。翌周にFCYは解除されたが、42周目にも再びFCYとなりコース上の全車両が80km/hの制限速によって一定間隔を保ったまま走行する。

 このFCYも2周で解除され、300kmの決勝レースは残り15周ほどとなる。終盤になりライバル勢がペースを落とすなかで河野選手はスティント序盤と同等のラップタイムで走行する。50周目には先行する55号車のHONDA NSX GT3をパスして14番手に浮上すると、最終ラップには96号車のLEXUS RCF GT3を抜いて13位でチェッカーを受けた。レース後に先行していたマシンにペナルティが与えられたために、SYNTIUM LMcorsa GR Supra GTは正式結果で12位となった。

 あとわずかでポイントを加算することはできなかったが、決勝レースはサクセスウエイトで苦戦した公式練習や予選から想像できない内容となった。次戦はLMcorsaのホームコースの鈴鹿サーキットで開催される第3戦となるので、少しでも多くのポイントを積み重ねられるように準備を行っていく。

2021スーパーGT第4戦もてぎ SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT(吉本大樹/河野駿佑)
2021スーパーGT第4戦もてぎ SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT(吉本大樹/河野駿佑)

●コメント
飯田章監督

「厳しい条件のなかでふたりのドライバーともにミスなく走り切ってくれました。後半のスティントを担当した河野選手は40周近い走行だったのですが、ラップタイムも落ちずに自力でポジションを上げて成長を感じています。頑張ってくれたのでポイント圏内まであと一歩だったのが残念でしたが、それでも公式練習や予選の結果からは想像できない成績です。今季はマシンを新たにするなど体制を変更し、その成果が結果に現れています。次戦の鈴鹿サーキットもマシンが重たいですが、今戦で得たデータなどを分析して取りこぼしないように戦いたいです」

吉本大樹選手

「スタート直後から前のマシンには付いていけましたが、集団で走行するとエンジンとブレーキともにクーリングができず抜くほどのパフォーマンスは持っていませんでした。徐々にタイヤのグリップも薄れていったために想定していたミニマムでのピットインとなりました。河野選手は異なるタイヤを履き終盤までペースを落とさず、最後はトップ集団と遜色ないラップタイムで走行していました。23番手からスタートしたので結果としては良かったですが、褒められる内容ではありません。次戦以降も厳しい戦いとなりますが、そのなかでもしっかりとポイントを獲得できるように準備を進めます」

河野駿佑選手

「決勝レースは後半のスティントを担当しましたが、思っていた以上にペースが落ちず走り切ることができました。ピットアウトしたときは、燃料やウエイトでマシンが重かったためにタイヤをセーブして周回しました。終盤に55号車や96号車をパスできたことは良かったですが、ポイント圏内まで入れなかったことは悔やまれます。ただ、重たいマシンと暑い状況でのデータが獲れたことは収穫だと思います。次戦の鈴鹿サーキットやその次のスポーツランドSUGOは今戦ほどサクセスウエイトの影響を受けないはずなので、確実にポイントを積み重ねていきたいです」


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