近頃、オートポリスといえば、雨や霧に見舞われることも多く、とかく悪天候続きという印象だったが、この週末に関しては完全に例外となってくれた。しかも、日曜日の午前はどんよりした雲行きだったのだが、20分間のウォームアップを終えて、マシンがグリッドに並べられた頃には雲の切れ間から強い日差しが注がれるように。
さて、そのウォームアップでは今回もスタートを担当する織戸選手から走り始め、1分46秒027をマークして8番手につけた。後半の10分間は永井選手が走行。織戸選手はグリーンシグナルの点灯と同時に、鋭いダッシュを決めてオープニングラップのうちに2ポジションアップ。『#30 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT』は12番手でレースを開始する。その後も10番手を争う集団の中で周回を重ねていた。
8周目、後方を走る車両がクラッシュ。すぐFCYの提示となるが、2分後にセーフティカー(SC)導入に切り替えられる。そして16周目にリスタートが切られるが、タイヤが冷えたことでグリップが低下し、あれよあれよという間に織戸選手は順位を落としてしまう。さらに18周目には総合トップの車両のタイヤ脱落、またGT300クラッシュにも再びのクラッシュがあり、またしてもSCが導入される。この時の『#30 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT』のポジョンは17番手。
23周目からレースは再開。すでにドライバー交代可能な周回に達していたため、多くの車両がピットに滑り込む中、織戸選手はあえてコースに留まることに。
32周目まで交代を伸ばしたことで、前提的には2番手にまで浮上したが、永井選手がコースに戻った時には22番手にまで下がっていた。タイヤがしっかり機能せず、我慢の走りを強いられた永井選手。それでもコースには留まり続けて周回を重ね、最終的には23位でフィニッシュ。それでも、マシンにトラブルは一切なく、今後に向けて貴重なデータの蓄積には成功した。
次回のレースはもう2週間後、ツインリンクもてぎで11月6〜7日に開催される。残り2戦は、今季すでに戦いを経験しているサーキット。季節の違いにしっかり対応できれば、また活躍が期待できそうだ。
■決勝後コメント
永井宏明選手
「とにかく『厳しい』の一言です。まったくいいところがなかったです。次のもてぎ、最終戦の富士では、いいレースをしていきたいと思っています。みんなで力を合わせて挽回します!」
織戸学選手
「ちょっと厳しかった……どうしようもない。でも、我々は厳しかったけど、31が優勝できたのは良かった。次、頑張ります!」
金曽裕人監督
「クルマのセットが、今日のコンディションにタイヤが合わなかったというだけで、そんな時もあります。決勝結果を見てもらえばわかると思いますが、タイヤメーカーのキャラが分かれてしまった感じはしますよね。でも、同じように2台のプリウスでテストをして、どんどんクルマのボトムを上げて来られたのは、双方にメリットがあったと思います」
「残り2戦はデータも豊富にあるので、引き続きの応援、よろしくお願いします」
