TGR TEAM ZENT CERUMO 2023スーパーGT第5戦鈴鹿 予選レポート
2023 AUTOBACS SUPER GT Report
SUZUKA GT 450km RACE
第5戦 鈴鹿サーキット
ZENT CERUMO GR Supra
#38 立川祐路/石浦宏明
◆8月26日(土) QUALIFY
公式予選結果 5位
立川祐路が2023年限りのSUPER GT引退を発表し、最後となるレースまでのカウントダウンが始まった8月5日(土)〜6日(日)の第4戦富士では、戦略も成功し5位フィニッシュを果たしたTGR TEAM ZENT CERUMO。その勢いを繋げるべく臨んだ第5戦の舞台は、三重県の鈴鹿サーキット。第3戦に続いての今季二度目の開催だ。
前戦ではZENT CERUMO GR Supraに良好なフィーリングを得ていたチームは、この第5戦でまずは予選上位進出を目指すべく、8月26日(土)の予選日に臨んだ。全国的に今季の夏は酷暑が続いているが、予選日の鈴鹿サーキットも午前9時15分の公式練習開始時点で、気温33度/路面温度39度というコンディションとなった。
ZENT CERUMO GR Supraは、第5戦に向けて今までの鈴鹿とは異なるニュアンスのセットアップを施し臨んだ。この公式練習はまずは立川祐路がステアリングを握りコースインし、まずは5周を走った後、3周ごとの短い間隔でピットアウト〜インを繰り返しながら周回。セットアップを確認していき、17周を走りピットに戻ると、石浦宏明に交代。こちらもセットアップを確認しつつ、2回のアウト〜インを経て、GT500クラスの専有走行の時間帯に1分48秒972というベストタイムを記録した。
ただ立川、石浦ともに「正直、このままいくとQ1は通れない」というフィーリング。ZENT CERUMO GR Supraの公式練習での順位は13番手というものとなった。チームはその後も立川がサーキットサファリ、石浦がフルコースイエローのテストの時間帯を使いながら、セットアップの改善を行っていった。するとタイムを見ても大きく改善。予選に向けた方向性を見出すことになった。
FIA-F4第7戦の決勝レースの遅れにより、10分ディレイで始まった午後3時20分からの公式予選も、気温33度という暑さは変わらず、路面温度は52度というコンディションのなかでスタートした。午後3時53分から始まったGT500クラスのQ1は、石浦がアタッカーを担当。もちろん目標はQ1突破を果たし、Q2の立川に繋げることだ。
石浦はライバルよりもやや早めのタイミングでコースインしたが、4周目に遅れてコースインした他車に引っかかることもなく、アタック一閃。1分47秒176というタイムを記録する。奇しくも、その数秒前にコントロールラインを通過していた#17 NSX-GTとまったくの同タイム。ZENT CERUMO GR Supraはまずはタイミングモニターの2番手につけた。
その後ライバルたちも続々とアタックし、タイムが更新されていくも、石浦のタイムは最終的に7番手に残り、しっかりとQ2の立川にバトンを繋いでみせた。
鈴鹿での最後のタイムアタックとなった立川は、スタンドのファンからの拍手に送られるように残り6分ほどのタイミングでコースインし、タイヤをウォームアップさせていく。4周目、立川はチェッカーに合わせアタックラップに入るが、デグナーカーブでわずかにタイムを失ってしまった。第3戦の予選でコースオフしてしまったのと同じ場所だったが、今回は無事に踏みとどまることに。立川は1分47秒253でチェッカーを受けた。
結果的に立川のタイムは6番手。さらにチェッカー後、3番手だった#8 NSX-GTが走路外走行だったとしてベストタイムが抹消となり、ZENT CERUMO GR Supraは5番手から決勝レースを戦うことになった。表彰台も見えるチームにとっての今季ベストグリッドだ。
この好位置を結果に繋げるためには、長丁場のレースでチームがミスなく、高いペースでしっかりと戦い抜くことが必要だ。TGR TEAM ZENT CERUMOは真夏の一戦となる8月27日(日)の決勝レースに向け、気を引き締め直していく。
ドライバー/立川祐路
「クルマを変えて今回持ち込んでいますが、公式練習を走った時点では、『正直終わったな』という感触でした。クルマが不安定で、正直乗っているのが怖いくらいの状況でした。でもサーキットサファリやフルコースイエローの時間を使ってセットアップを大きく変えたところ、すごく良くなったので、その状態で予選にいこうとなりました。Q1では石浦選手の雰囲気も良さそうでしたし、7番手だったので、Q2では1台出走しなかったことから『これ以上落ちることはない』と思い切っていきました。少しデグナーで失敗してしまいましたが、今回も第3戦と同じような状況になってしまいそうでした。それがなければ1〜2ポジションくらいは上げられたかもしれないので、悔しいですね。完璧に決めなければいけませんでした。とはいえ、今日できることはチームとしてできたと思いますし、決勝を見すえたタイヤ選択をしているので、機能すればと思います。混戦をくぐり抜けて表彰台にいきたいですね」
ドライバー/石浦宏明
「今回、セットアップを今までの鈴鹿と異なる方向性のもので持ち込んでいましたが、午前の公式練習の立川選手のタイムから伸び悩んでおり、このままではロングランもできないし、予選Q1も通らないだろうと思っていました。タイム以上にフィーリングも悪かったので、大きくセットアップを変えていったところ、タイムも上がっていき光明が見えました。ただ、そこではニュータイヤを履いていなかったのですが、エンジニアの皆さんがセットを考えてくれ、予選でもコースインしてすぐに好感触を得ることができました。結果的にGR Supra勢で唯一Q2に進出できましたし、今回も立川選手のファンから怒られずに済みました(笑)。ただ同時にライバルとのスピード差も開発ドライバーとしては感じており、我々の決勝ペースも良くしなければと思います。前戦はペースがあまり良くなかったので、改善したいですね」
村田淳一監督
「まずはQ1突破、そしてQ2進出で5番グリッドを獲得することができ、シーズン前半戦の状況を考えると、尻上がりに調子を上げることができていると思います。午前の公式練習ではどうなることかと思いましたが、ドライバーが的確なコメントをしてくれて、セットアップを仕上げてくれました。ドタバタしましたが、最終的にはうまく合わせることができたのではないでしょうか。明日の決勝も長いレースですし、昨年は同じようなコンディションでトップ争いもできています。うまく戦うことができれば5位以上を目指せますし、表彰台を目指してシリーズ後半戦に弾みをつけられるレースにしたいと思います」