そして、第4戦終了時点でトップから10ポイント差のランキング4位につけていた堤優威/平良響組のmuta Racing GR86 GT。こちらもサクセスウエイト90kgを積みながら予選ではQ2に進出し、14番グリッドから決勝に臨んだ。
レースではStudie BMW M4と同様に5周目終了でピットインしたmuta Racing GR86 GTは、その周回にピットに入ったマシンの先頭でコースに戻ることに成功。その後も第1、第2スティントを担当した堤が徐々にポジションを上げていくと、アンダーカットを成功させて27周目にはクラストップに躍り出る。
「僕たちは少し早めにタイヤを変えていることもあり、後半にかけて他車のタイヤのほうがコンディションが良くなるので、どんどんと追い抜かれてしまう展開でした」と語るのは、38周目からの最終スティントを担当した平良だ。
サクセスウエイト90kgは「やっぱり厳しい」と語る平良。レース後半は「めちゃくちゃ速くて、抑えるのが精いっぱい」なSUBARU BRZ R&D SPORTの井口卓人とバトルを繰り広げる。
数周は後方に迫る井口を抑えこんでいた平良だったが、54周目のスプーンカーブ飛び込みでバックマーカーと遭遇したときにオーバーランを喫してしまい、この隙にSUBARU BRZ R&D SPORTが前に。ペースの鈍ったmuta Racing GR86 GTは続くホームストレートでapr LC500h GTにも追い抜かれ7番手に後退してしまう。
「(バックマーカーが)ちょっと譲っているか譲っていないか微妙な感じだったので、ズバッとインに飛び込みましたけど、それゆえに少し行き過ぎてしまいました。完全に僕のミスです」と平良。
さらにその後にはグッドスマイル 初音ミク AMGにもオーバーテイクを許し、7位4ポイントで第5戦を終えたmuta Racing GR86 GT。平良は後半戦の戦い方について以下のように続ける。
「第6戦のスポーツランドSUGOと第7戦のオートポリスはGTA-GT300規定車両が得意としていますし、ブリヂストンタイヤ持ち前の耐久力で順位を上げることができそうです。でも、逆に最終戦のモビリティリゾートもてぎが少し厳しそうなので、第6戦と第7戦で大きく稼ぎたいですね」
第1戦、第5戦での優勝以外はノーポイントでランキング首位浮上のUPGARAGE NSX GT3に対し、着実にポイントを獲得してランキング上位を占めるStudie BMW M4、リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R、muta Racing GR86 GTの3台。シーズンの最後に笑うのは誰になるか、接戦が繰り広げられるGT300クラスから目が離せない。
