更新日: 2023.09.19 15:45
ホンダ 2023スーパーGT第6戦SUGO レースレポート
#8 ARTA MUGEN NSX-GTが波乱のレースを制する
9月16日(土)~17日(日)、スポーツランドSUGO(宮城県)で2023年度SUPER GTシリーズ第6戦が開催され、GT500クラスに5台の2023年型NSX-GT、GT300クラスに2台のNSX GT3が出走しました。第2戦から第5戦までは450kmレースとして開催されましたが、今大会はSUPER GTの標準距離である300kmレースです。これにともない、決勝中に義務づけられるピットストップは1回となりました。
公式予選が始まる直前に雨が降り出し、路面はウエットコンディションになりましたが、GT500クラスのQ1セッションが始まるころには雨がやんで路面が乾きだし、ウエット宣言下ながら全車がスリックタイヤでタイムアタックに臨みました。難しい状況の中、17号車 Astemo NSX-GT 塚越広大が3番手、8号車 ARTA MUGEN NSX-GT 野尻智紀が6番手でQ2セッションに進出すると、8号車 ARTA MUGEN NSX-GT 大湯都史樹がコースレコードを叩きだして、NSX-GTにとっては第5戦の16号車 ARTA MUGEN NSX-GT 福住仁嶺に続き2戦連続のポールポジション獲得となりました。また、17号車 Astemo NSX-GT 松下信治は3番グリッドを獲得しました。
17日(日)の決勝は、どんよりと雲が垂れ込めた空の下で始まりました。ポールポジションの8号車 ARTA MUGEN NSX-GT(野尻)はポジションを守って1コーナーに飛び込み、周回ごとに2番手の17号車 Astemo NSX-GT(松下)を引き離し始めました。
8号車 ARTA MUGEN NSX-GT(野尻)は32周を走ってピットイン。ドライバー交代と給油、タイヤ交換を行いました。しかし、その次周の33周目にピットに入った17号車 Astemo NSX-GTはピット作業のロスタイムが短く、8号車 ARTA MUGEN NSX-GT(大湯)の前でコースに復帰。順位を入れ替えることに成功しました。
37周目、最終コーナー立ち上がりで100号車 STANLEY NSX-GT(山本尚貴)が他車から接触を受け、コースアウトして大破したためレースは赤旗で中断されました。この時点で先頭は39号車 GRスープラ、2番手は1号車 Zでしたが、ピットストップ義務をまだ果たしておらず、事実上の首位は17号車 Astemo NSX-GT(塚越)、2番手に8号車 ARTA MUGEN NSX-GT(大湯)がつけていました。
事故処理後に再スタートが切られると、17号車 Astemo NSX-GT(塚越)は8号車ARTA MUGEN NSX-GT(大湯)を抑え、事実上の首位を守ってレースを再開しました。しかし、52周目に8号車 ARTA MUGEN NSX-GT(大湯)が17号車 Astemo NSX-GT(塚越)に迫り、オーバーテイクして順位を入れ替えました。
その後、8号車 ARTA MUGEN NSX-GT(大湯)は17号車 Astemo NSX-GT(塚越)を引き離していきましたが、気温、路面温度ともに低下した65周目を前に間隔が縮まり始め、2台は再びテールトゥノーズに。そして、77周目に入るホームストレートで17号車 Astemo NSX-GT(塚越)が8号車 ARTA MUGEN NSX-GT(大湯)に並び、1コーナーで逆転。このオーバーテイクにより、17号車 Astemo NSX-GT(塚越)がトップを奪い返しました。
2番手に後退した8号車 ARTA MUGEN NSX-GT(大湯)はペースが上がらず、後方から23号車 Zに攻められる展開となりましたが、僅差で抑え込み周回を重ねました。その後、17号車 Astemo NSX-GT(塚越)は首位を守ったまま84周を走りきり、チェッカーフラッグを受けました。8号車 ARTA MUGEN NSX-GT(大湯)は2番手でフィニッシュしました。
ところが、レース後の車検で17号車 Astemo NSX-GTは車体底面に取り付けたスキッドブロックが削れ、規定量が残っていなかったため不合格となり、失格裁定を受けることに。これにより8号車 ARTA MUGEN NSX-GT(野尻/大湯)が繰り上がって優勝することになりました。なお、大湯にとってはこれがGT500初優勝となります。
次戦は10月14日(土)~15日(日)、大分県オートポリスで開催される予定です。
●佐伯昌浩 HRC SGT Large Project Leader
「ここ数年、NSX-GTはスポーツランドSUGOのコース特性と相性がよく速かったのですが、昨年はウエットコンディションになった影響で結果が出せませんでした。今年はドライコンディションでレースができ、結果につなげることができました」
「一方で、クラッシュや不可解なトラブルが発生したので手放しで喜ぶわけにもいきません。サクセスウエイトが半減になる次戦オートポリスでは、この勢いで上位を狙います。オートポリスはタイヤのゴム付着が起きやすいコースですし、450kmレースも初めてですのでいろいろと戦略が分かれると思います。我々もシミュレーションを重ねて臨みます。応援をよろしくお願いいたします」