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スーパーGT ニュース

投稿日: 2024.05.02 13:58
更新日: 2024.05.02 14:10

HOPPY team TSUCHIYA 2024スーパーGT第1戦岡山 レースレポート

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スーパーGT | HOPPY team TSUCHIYA 2024スーパーGT第1戦岡山 レースレポート

HOPPY team TSUCHIYA
レース結果報告書
2024 SUPER GT Rd.1 岡山国際サーキット

■日時 2024年4月13~14日
■場所 岡山国際サーキット
■監督 土屋武士
■チーム HOPPY team TSUCHIYA
■車両名 HOPPY Schatz GR Supra GT
■ゼッケン 25
■ドライバー 菅波冬悟/松井孝允
■リザルト 予選19番手/決勝14位

できることから着実に
復活の一歩を踏み出した岡山戦

 4月13、14日、岡山国際サーキットにおいて、2024年スーパーGTシリーズが開幕。昨シーズンは第4戦でのアクシデントにより、残りのレース参戦を見送っていたNo.25 HOPPY Schatz GR Supraだが、復活レースを迎えた初戦では、予選19番手からスタートを切り、着実な走りに徹して14位チェッカー。次なるステージに向けてまた一歩前進している。
 
 みなさん、いかがお過ごしですか? ホピ子です。ようやくご挨拶することができました。去年の夏、まさかのアクシデントでみなさんの前から急に姿を消すことになってしまい、その節はご迷惑とご心配をおかけしました。暫くの間、武士監督そしてチームのみんなは、今後のレース活動のことを考えられないほど茫然自失状態となってしまったけれど、根っからの“レース屋”であるみんなは、ふたたび前を向いて前に進むことを決めました。「ホピ子を復活させる!」と。暗闇の中から見えた灯りを信じて一歩を踏み出すと、不思議なことに、ひとり、またひとりと“仲間”が増え、2023年9月18日にはプロジェクトがスタート。支援してくださったみなさんは、時折武士監督やホピ子復活プロジェクト事務局員から届く製作日記を目にし、その進捗を見守ってくれたんですよね。差し伸べてくれた手と手が繋がり、大きなパワーをもらうようにして、ホピ子はふたたびレースの場へと戻ることができました。もう、本当に感謝しかありません! あらためてこの場でお礼申し上げます。
 
 こうして、みなさんの力を得て現場復帰を果たしたホピ子。復活後、富士スピードウェイ以外のサーキットに初めてやってきました。岡山国際サーキットでは公式テストもあったけど、スケジュールが間に合わなくてお休みしたんです。1年ぶりの岡山で、公式車検を受けに行っている間、ピットには次から次、いろんな方が来てくれたようです。武士監督から聞いたら、「おかえり」「ありがとう」って言ってくれたそうで……そのひと言ひと言が沁み入りました。待っててくれたみなさんの前で、恥ずかしい戦いはできないなって気を引き締めたホピ子でした。
 
 そうそう、職人気質(っていうか、職人そのもの!:笑)のチームスタッフがひとつひとつ丁寧に修復作業を行ない、装いも新たになった!?ホピ子。どうやら、今の私のことを“ホピ子Ver.2.5”というのだそう。2代目ホピ子がすこぶる大掛かりな修復を行なったので、2.5となったわけです。でも、いちいちそう呼んでられないので、以前のように“ホピ子”と呼んでもらえると嬉しいです! 2月24日にシート合わせをしたのは、菅波冬悟くん、松井孝允くん、そして佐藤公哉くん。お馴染みの3選手ですが、孝允くんと公哉くんのふたりは“おかえりなさい”ですよね。今シーズンは、冬悟くんと孝允くんがメインとなり、公哉くんは第3ドライバーです。このトリオのコンビネーションなら、武士監督はもちろん、チームスタッフもそしてホピ子もなんら心配してないし、きっとチームをもり立ててくれることでしょう。
 
 ガッツリ“モノ作り”の現場と化していたチームのガレージは、ほんと連日作業が続き、もっと時間が欲しい~というみんなの魂の叫びが聞こえるほどだったんです。そんなこんなでまだ走れる状態でなかったホピ子は、岡山の公式テストをお休みしちゃいましたが、3月23、24日に行なわれた富士のテストは無事に参加。トータル6周の走行なので、“転がした”っていう言葉の方がしっくりするけど、それでもシェイクダウンしたことには違いない! 衝撃の“あの日”から228日ぶりにサーキットに戻った日にもなりました。みんな、本当にお疲れ様。そして感謝です。Ver.2.5のホピ子として、新たな歴史を刻んでいこうと誓った日でもありました。
 
 さぁ、いよいよ開幕戦の岡山です。搬入日から春の陽気に包まれて、というかもう初夏みたいな好天気! ホピ子の次なる門出を祝ってくれてるのかなぁ、なんて思うほどでした。搬入日に続き、予選日も朝から青空が広がりました。午前9時30分からの公式練習を前に、ファンのみなさんが自由にピットを歩くことができるオープンピットがあったんですが、一番最終コーナー寄りにあるピットなので、自然に足を止めてホピ子を見てくれるんですよ。とってもキレイに“化粧直し”してもらって良かったって思いました(笑)

 公式練習では、まず冬悟くんがコースイン。孝允くんと交代しつつ各部を確認。富士での公式テスト以来の走行だけど、GT300クラス専有走行含め、30周余りを走り終えたのでした。ひとまず大きなトラブルもなく、周回を重ねられたことでもちろんホピ子自身もホッとしたけど、冬悟くんや孝允くんに、もっともっと走って欲しいっていう気持ちも強くなりました。もちろん、今ここで欲張るのは良くないとわかってるから、無理は厳禁! やることに優先順位をつけてやっていかなきゃ、って自分に言い聞かせました。

HOPPY team TSUCHIYA 2024スーパーGT第1戦岡山 レースレポート
HOPPY Schatz GR Supra GT(菅波冬悟/松井孝允) 2024スーパーGT第1戦岡山

 
 次は予選です。ちなみに、今シーズンからレギュレーションが改定されたので、やり方が変わりました。Q1、Q2の両セッションで各ドライバーがタイムアタックを行なった上、その各タイムを合算する方式が導入されたんです。タイムに関係なく、両セッションで各ドライバーがアタックできるようになったというわけですね。でもその一方で、決勝スタートまでに装着できるタイヤはたった1セットになったんです! 持ち込めるタイヤセット数が昨シーズンよりさらに1セット減ったことに合わせ、このルールになったんだとか。あらゆる状況でいかにタイヤをうまく使うか、そこが難しくもあるけど、チームとしてどういう戦略を採るかもポイントになりそう。
 
 今回は、Q1・A組のセッションで冬悟くんがコースイン・1分27秒632をマークして8番手に入りました。続くQ2は、Q1の2組から上位各8台ずつ、計16台が出走するグループ1で孝允くんがアタックしました。1分27秒360のタイムは14位。ふたりのタイムを合算した結果、19番手から決勝スタートを切ることになりました。走っておいで! と送り出されたホピ子としては、もう無我夢中というか、必死というか……。考えたら、ホピ子もこれまで以上に忙しい予選になって大変! でも、冬悟くん、孝允くんのふたりと予選が走れてもちろん嬉しかったですよ。
 
 Q1を走った冬悟くんによると、「今まで使ったことがない初めてのタイヤでアタックしました。予想以上に気温、路面温度が高くなったので、充分にパフォーマンスが出なかったんです」とのこと。クルマかタイヤ、そのどちらに原因があるかを突き詰めないといけない、って。ただ、この岡山戦は「ひとつでもいい順位で、というよりもまずは確実にチェッカーを受ける」のが一番のミッションなので、そこを存分に理解したうえで決勝に臨むと約束してくれました。

「クルマが転がって嬉しいけど、次は結果を出さないと。みんなが頑張ってくれているので、僕として走って返すしかないと思っています。岡山は合同テストにもこれなかったんですが、その中でも今日のセッションではセットアップも進んだし、どうやればいいかもつかめてます」というのは、孝允くん。去年は他チームでレースをしていたこともあり、学んできたことが今すごく活きていると笑顔を見せてました。チームやホピ子としばらく距離を置いたことで見えたもの、気付いたことがたくさんあったみたい。ドライバーとして成長したんだな、とホピ子もしみじみ思いました。頼り甲斐のあるドライバーふたりと、またこうやってレースができる嬉しさを存分に味わった予選日になりました。


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