決勝日の岡山もすばらしい天気に恵まれました。サーキットへ来る道中、あちこちできれいな桜を見ることもできたし。季節感たっぷりの開幕イベントになったと思いませんか? ホピ子もだいぶん“レース感”みたいなものを取り戻せたと思うし、まる2日間ドライコンディションで走れたので、このデータはこれからのレースにしっかり反映できるはずです。
オープニングセレモニーやらスタート進行やら、決戦を前にイヤでもテンションが上がっていくから、ホピ子もその熱気にちゃっかり乗っかっちゃって……(笑)でもそこは、チームのみんなが、「落ち着いて戦うんだよ」とうまく“調教”してくれたので、少しは冷静になってスタートが切れたかと。さすがに冬悟くんは落ち着いてて、、オープニングラップからセーフティカーが導入する波乱の幕開けになったのも意に介さず、“ホピ子のレース”に特化した走りに集中してくれました。
ルーティンのピットインは32周終わりに実施。開始から1時間少し過ぎたタイミングでした。今シーズンは予選日の公式練習から決勝スタートまで同じ1セットのタイヤで走ることになったから、ピットではタイヤ交換と給油作業を行ない、孝允くんにステアリングを委ねました。当然、結果的には孝允くんのほうがたくさん走ることになったわけですが、タイヤにやさしく、ホピ子の様子も伺いながら、チェッカーを受けるんだ! という強い気持ちで一緒に走ってくれました。
こうして、概ね2時間にわたる300kmレースを無事に走破! ホピ子は予選より順位を上げて14位でゴール。10位以内に入って入賞できればもっと良かったけれど、でもこれまでの道のり……武士監督が真っ暗闇の中から、なんとか灯りを探し出してこの場所まで導いてくれたことを思うと、感謝してもしきれない思いが溢れてきたんです。サーキットを走らせてくれた武士監督、チームのみんな、冬悟くん、孝允くん、レースウイーク中は公哉くんもたっくさんサポートしてくれましたね。みんなお疲れさまでした。そして、温かく見守ってくれたサポーターのみなさん、本当にありがとうございました。ゴールしたことでまずは第一関門を突破できたのかな? もちろんレースなのでもっと上を目指していかなくてはなりません。ステップ・バイ・ステップ。一足飛びなんてせず、きちんとやり遂げ、結果を積み上げていく。それがお世話になったみなさんへの恩返しであり、ホピ子に与えられたミッションだと思ってます。さぁ、次は戦いの場を富士スピードウェイに移して3時間の戦いが待ち受けます。しっかり前を向いて歩いて、いや走っていきますね。これからもどうぞよろしくお願いします!
■レースを終えて
【菅波冬悟】
「まず、開幕戦にこうして参戦できたのは、ホピ子復活プロジェクトにご協力していただいた皆さまのおかげです。本当にありがとうございました!今回のレースは我々としても久しぶりの復帰戦でしたが、14位で無事にチェッカーを受けることができて良かったです。まずは完走することができ、それにより次のパフォーマンスを上げていって結果を残すというステップに進むことができたと思っています。これから毎戦ごとにホピ子は進化していくと思いますので、自分はそれを追い越す勢いで成長できるように引き続き頑張ります!」
【松井孝允】
「復活に携わってくださった皆さまのおかげで戻ってくることができ、開幕戦を無事に完走することができました。ありがとうございました! 岡山の合同テストに参加はできなかったのですが、参加した富士の合同テストの結果を踏まえ開幕戦に乗り込み、セッションごとにセットアップを進めていって一歩も後退することなくレースウイークが進みました。チームの進化も感じたし、また、菅波選手と一緒に戦えるのも心強いと感じたレースウイークでした。次戦富士に向けてもチームとさらにレベルアップして挑みます。たくさんの応援をありがとうございました!」
【土屋武士監督】
「こんなにも早くサーキットに、レースに戻ってこれるなんて…、本当に信じられない気持ちです。今こうやって開幕戦を無事に終え、何気ない日常の時間が過ぎていることすら現実なのか不安になるくらい、ここまでの数年間、怒涛の時間を我々は過ごしてきたということだと思います。この間、支えてくださった皆さま、本当にありがとうございました。皆さまの想いとともにこの場に戻ってこれたことに感謝いたします」
「レースは非常にポジティブに終えることができました。まだまだ生まれたばかりの新生ホピ子ですが、ポテンシャルがあることをチームのみんなが感じることができ、特にレース後のドライバーの表情が明るかったことがそれを物語っていました。そしてドライバーのふたりのコンビネーションもバッチリで、復帰した孝允の成長は、チームのモチベーションを上げてくれましたし、チーム2年目の冬悟も相変わらずのムードメーカーであり頼もしい存在で、走行時間が少ない中でもこのふたりに任せておけば大丈夫だなと、チームがいいリズムで再始動したことを感じました。リザーブの公哉も裏方でサポートをしてくれて、チーム全体がひとつにまとまっていい雰囲気で戦えていると感じることができた開幕戦でした」
「とにかく今年は“最後まで無事に”ということが最大のミッションです。もちろん上位を目指して戦っていきますが、『続けられることが当たり前ではない』ということが刻まれた今は、とにかく生き残こることを最優先に、そして進化と成長を積み重ねていき、“優勝”という次の目的地にたどり着きたいと思っています。今年も始まりました。11月の茂木最終戦で、『今年はよかったね』と皆さまと一緒に喜べるように、ひとつひとつ丁寧に、日々を積み重ねていきたいと思います。どうぞ最後まで応援のほど、よろしくお願いいたします!」
