15周目を過ぎてトップMOTUL GT-Rと2番手KeePerのギャップは5秒弱に。そして20周目からはルーティンのピットイン合戦に。まずは4番手走行のZENTが立川祐路から石浦宏明へ、そして7番手KEIHINが小暮卓史から塚越広大に交代。
22周目を迎えて、MOTUL GT-RとKeePerの差は3.7秒に。そこで2番手のKeePerが先にピットイン。ニック・キャシディから平川亮に乗り替わる。
23周目にはRAYBRIG、DENSO KOBELCO SARD LC500がピットイン。翌24周目にはカルソニック、WAKO’Sがピットイン。
その後、25周目にトップのMOTUL GT-Rがピットイン。ステアリングをロニー・クインタレッリから松田次生に替わってトップでコースに戻る。2番手のKeePer平川はちょうどストレートに差し掛かったところで、2台の差はちょうどストレート1本分。MOTUL GT-Rはトップを堅守する。
27周目にはS Roadがピットインし、7番手でコースイン。この時点でEpson Modulo NSX-GTだけがルーティンのピットインをしておらず、実質の順位はトップからMOTUL GT-R、KeePer、ZENT、RAYBRIG、KEIHINのトップ5に。MOTUL GT-RとKeePerのギャップは約9秒。
34周目にはMOTUL GT-RとKeePerのギャップは12秒に拡大。KeePerは2位でもタイトルが決定し、3番手に同じレクサスのZENTが控えているため順位は安泰なため、ペースをコントロールか。
38周目には4番手RAYBRIGと5番手KEIHINがバトルを繰り返し、KEIHINが前に。40周目には10番手Epsonと11番手WedsSport ADVAN LC500が接触して、WedsSportは右フロントを大きく破損してしまう。

43周目、残り10周となってもMOTUL GT-RとKeePerのギャップは12秒。だがその後、序々に2台の差は縮まっていく。残り2周となったS字では10番手WAKO’Sのボンネットが吹き飛び、エンジンルームが丸見えの状態で走行。オレンジディスクが提示され、レースのスタートからフィニッシュまでWAKO’Sはトラブル、アクシデントの多い最終戦となってしまった。
終盤にアクシデントが起こったものの、MOTUL GT-Rは終始安定したペースで最後はKeePerに6秒差でトップチェッカー。MOTUL GT-Rはニッサン陣営として今シーズン初、ニスモとしても2016年の第2戦富士以来の優勝を果たした。そして2位を守り抜いたKeePerがドライバーズタイトルを獲得。平川亮、ニック・キャシディにとってはスーパーGT初タイトルで、トムスにとっては2009年の脇阪寿一/アンドレ・ロッテラー組以来となる、8年ぶりの栄冠となった。
今シーズンから施行された2017年「クラス1」新規定に沿って、勢力図がリセットされた2017年のGT500クラス。開幕から序盤はレクサスLC500が表彰台を独占するなど、レクサス一強の印象が強かったシーズンだが、最終戦のリザルトだけを見ればトップ6はMOTUL GT-R、KeePer、ZENT、KEIHIN、RAYBRIG、S Roadと、3メーカーが2台づつ分け合う展開になった。
KeePerの平川、キャシディが初めてのタイトルを獲得し、フレッシュな印象となった2017年のスーパーGT500クラス。今シーズンはDTMとのはじめてのコース上でのデモランなど、次代に向けての大きな一歩を踏み出したような転換期となる1年となった。

