それでもGP125時代に1勝、Moto2で1勝しており、2016年はついに最高峰クラスで初めてもてぎを制した。「これまで苦手だったこのサーキットで、今までの成果を出せた」と、多少なりとも苦手意識を克服したことをうかがわせている。
一方、マルケスとタイトル争いを展開しているドビジオーゾは「もてぎは大好きなサーキットのひとつ。ハードブレーキングしなければならないところが気に入っている」と語る。ホンダ時代の2010年とドゥカティ移籍後の2014年にはポールポジションも獲得。
しかし、ドビジオーゾは最高峰クラスでのもてぎ優勝はゼロ。とはいえ2016年の日本GPでは2位表彰台を獲得した。タイトル争いを展開している今年は、さらに上のリザルトをねらっていることは間違いない。
意外なのがロッシだ。実はロッシ、過去にもてぎでは2001年と2008年の2回しか優勝しておらず、もてぎでの優勝から長い間遠ざかっている。ヤマハのマシンはもてぎとの相性が悪い訳ではないことはロレンソのリザルトが証明しているとおり。ロレンソはヤマハYZR-M1で、これまでに3回もの優勝を飾っているのだ。
ロッシは第13戦サンマリノGP直前のトレーニングで負傷し、ホームグランプリを欠場した。しかし第14戦アラゴンGPでは見事な復活劇を見せ、完治していない足で5位入賞を果たしている。第15戦日本GPに向けてさらなる調整に入っているだけに、9年ぶりのもてぎ優勝の可能性は決して低くはない。
ポイントランキング7位のロレンソは「フライアウェイ3連戦は体力的にも精神的にも、いつも以上の強さが求められるが、毎年この3連戦は楽しみ。特にもてぎはたくさんのいい思い出があって大好きなサーキット」とコメントしている。
ドゥカティに移籍した今季、ロレンソは苦戦が続いていたが、第14戦アラゴンGPでは今季2度目の表彰台を獲得。確実にマシンとシンクロしてきたことを証明した。