こうしてマルケスは、金曜日のセッションはケガの状況、体力面を考慮して出走を控え、土曜日から走行を行ない、回復具合を確認した上で、決勝レースの出走を判断することにした。そして、土曜日のFP3に出走したマルケスは4回のコースインで18周を回り、1分37秒882のベストラップを記録。トップから1.298秒差の20番手で終えた。

 続くセッションとなった午後のFP4は、FP3と比較して気温で約9度、路面温度で約24度上昇する厳しいコンディションとなったが、1回目のコースインでマルケスは10周の連続走行を行なっている。ところが、2回目のコースインでは2周を回ったところで、走行を取りやめ、ピットに戻った。FP4でマルケスは1分38秒台を5回記録、計測7周目に1分38秒513を記録して16番手につけた。このセッションでトップにつけた中上 貴晶とのタイム差は0.999秒だった。

「午前中のFP3はすごくよかった。うまく走れたことに驚いた。でも、午後にもう一度走り始め、最初の走行はいいフィーリングでユーズドタイヤでのリズムに驚いたけど、ピットに戻って、もう一度コースに出たとき、突然パワーを失ってしまった。これは危険だと思った」

 マルケスはフリー走行総合20番手でQ1への出走権を得たが、Q1ではコースインはしたものの、計測ラップを行なわず、そのままピットに戻り、レースの欠場を決断した。

「難しい1週間だった。先週の日曜日からいろいろなことがあった。あの日は『来週もがんばってレースで走ります』とは言えない状況だった。でも、走りたいという情熱はあり、何かを達成するために打ち込んでいるものがあれば、少なくとも実行してみなければ分からない。手術が終わって、ヒジが動くことが分かり、力も出た。腕立て伏せもできた。もちろん痛みはあったが、我慢できる程度だった」

「そのあと、ホンダとすべての選択肢について話し合った。そして、土曜日に何ができるのかを見てみようということになった。医師に状態を見てもらいながら、自分の体と向き合った。今日の午前中は、いいフィーリングがあり、進歩もあってうれしかった。しかし、タイムアタックをしようと思ったときに安定性がなかった。アグレッシブに走ろうとしても腕に力が入らなかったからだ」

「(決勝の出場をどうするか)自分の体に聞いてみる必要があると感じた。それからチームとHRCと話をしたが、僕の決断を常に尊重してくれた彼らに感謝したい。医師、理学療法士、そして夢を追いかけるためにサポートしてくれた親しい人たちにもお礼を言いたい。残念ながらアンダルシアGPはレースができないが、ブルノではサーキットに戻る。チャンピオンシップを戦えるように、できることは全てやり続けたい」とマルケス。

 通常、外科手術後、1週間程度は安静が求められるものだが、医療チームの強力なサポートもあり、マルケスは手術からわずか4日後にはMotoGPマシンでの走行を再開した。手術後わずか数日で腕立て伏せができる状態になっていたことにも驚かされる。次戦チェコGPに向けて、リハビリを継続するマルケスだが、ブルノまでにどの程度回復しているのかに注目が集まる。

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