予選Q1は気温29度、路面温度42度のドライコンディションで行われた。このセッションから予選に臨むのは、中上、エスパルガロ弟、前戦ウイナーのミゲール・オリベイラ(レッドブルKTMテック3)など11名のライダーである。
最初のアタックでトップに立ったのは、エスパルガロ弟。2番手には兄のアレイシ・エスパルガロが続く。中上は序盤、6番手タイムで、2回目のアタックに向かう。
2回目のアタックでも、エスパルガロ弟がタイムを更新してトップをキープ。残り時間1分を切るころには、オリベイラがエスパルガロ弟から0.148秒差の2番手に浮上してKTMライダーふたりがQ2進出圏内につける。
中上は最後のアタックでタイムを詰めたが、4番手にとどまり、明日の決勝レースは14番グリッドから迎える。Q2に進んだのはセッション序盤からトップを守ったエスパルガロ弟と2回目のアタックでタイムを短縮したオリベイラだった。
続いて行われた予選Q2。序盤にトップに立ったのはビニャーレス。しかしそのタイムをロッシ、さらにクアルタラロが更新。1回目のアタックを終え、トップはクアルタラロ。2番手がロッシ、3番手にモルビデリが続く状況だ。
2回目のアタックに入ると、ビニャーレスがクアルタラロのタイムを0.004秒更新。再びトップに浮上する。ビニャーレスはここで再びピットイン。マシンを乗り替えると3回目のアタックに向かう。15分で行われる予選では通常、ピットインを1回行って適宜タイヤを替え、2回のアタックを行うところだが、ビニャーレスは変則的な作戦を展開する。
残り時間1分を切って、トップは依然としてビニャーレス。ビニャーレスは最後のアタックでさらにタイムを詰め、1分31秒411を叩き出す。このタイムは2018年にホルヘ・ロレンソが記録した、オールタイムラップ・レコードを更新するもの。ビニャーレスが2020年シーズン2度目となるポールポジションを獲得した。
2番手はやはり最後のアタックでタイムを更新したモルビデリ。3番手にはクアルタラロ、さらに4番手はフリー走行3回目でトップタイムだったロッシが続き、フロントロウ、そしてポールポジションから4番手までをヤマハ勢が席巻する結果となった。
5番手はミラー、6番手にはバニャイアというドゥカティを駆るプラマック・レーシングのふたり。Q1からQ2に進出したエスパルガロ弟、オリベイラは、エスパルガロ弟がセッション序盤に15コーナーで転倒を喫したこともあり、11番手、12番手にとどまった。
また、中上、アレックス・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)がQ2進出を逃し、ホンダ勢は12番グリッドまでに並ぶことができなかった。