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MotoGP ニュース

投稿日: 2021.10.27 08:25
更新日: 2021.10.28 19:19

【レースフォーカス】優勝か、転倒か……トップ走行中に転倒もタイトルへの可能性に懸けたバニャイア/MotoGP第16戦エミリア・ロマーニャGP

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MotoGP | 【レースフォーカス】優勝か、転倒か……トップ走行中に転倒もタイトルへの可能性に懸けたバニャイア/MotoGP第16戦エミリア・ロマーニャGP

 クアルタラロがチャンピオンを獲得したこのエミリア・ロマーニャGPで、優勝を飾ったのはマルケスだった。マルケスはバニャイアの後方で2番手を維持し、バニャイアが転倒するとトップに立ってアメリカズGPに続く優勝を飾った。そしてまた、バニャイアとマルケスには引き離されたものの、4番グリッドからスタートしたポル・エスパルガロ(レプソル・ホンダ・チーム)が2位でフィニッシュを果たしている。苦戦が続くホンダにとって、今季のワン・ツーフィニッシュは初。ホンダとしては2019年第17戦オーストラリアGP以来となった。

「僕としてもレプソル・ホンダ・チームにとってもうれしい結果だ。HRCにとって、ワン・ツーフィニッシュを果たしたことは重要だ。特にここが右回りのサーキットであるということだね。右回りのサーキットで優勝することは、一つの目標だったんだ」

 マルケスは2021年シーズン、第8戦ドイツGPと第15戦アメリカズGPで優勝を飾っている。そのどちらもが、左回りのサーキットで、これまで右回りのサーキットでは優勝できずにいた。その背景には、いまだ完全ではない右腕の状態がある。

 このレースウイークは金曜日から土曜日にかけてほとんどのセッションがウエット、または濡れた部分が残る路面状況で行われていた。決勝日は、このレースウイークで初めて訪れた完全なドライコンディションだった。ライダーとしては、フリー走行で決勝レースを想定した走行ができず、難しいレースウイークとなるが、マルケスにとってはこの状況が一つ、彼の手助けとなっていた。ウエットコンディションでは通常よりも体の負担が少ないためだ。

「今週はほとんどウエットコンディションでの走行だった。筋力をさほど使わずにすんだ。だから、今日は体がぴんぴんしている状態だったわけなんだ。レース前に右腕に痛みがあまりなかった。だから、いい感じで走れたんだ。体がこういう状態なら、このレベルで走れる。つまり、問題は、金曜日にスタートして、決勝レースが日曜日ということだ。まだ万全というわけじゃないんだ」

 そして、レプソル・ホンダ・チームに移籍した今季、ついに表彰台を獲得したエスパルガロ。ホンダでの初表彰台獲得に「僕というライダーにとっても大事な結果だ。MotoGPではベストポジション。KTMでは3位が最高だったわけだからね。もちろん、自分のキャリアにとっても大事だったよ」と語ってから、「でも、ホンダに対する安堵の方が大きい」とも述べている。

「ホンダにとってこのワン・ツーフィニッシュは重要だよ。難しいシーズンを過ごしてきたんだからね」

 エスパルガロは、2020年までKTMに所属していたことを踏まえ、現状の新型コロナウイルス感染症の状況下における、ホンダの苦境に言及した。

「(ホンダは)これまでにすごくがんばってくれている。コロナの状況下で、僕はヨーロッパのメーカーにいた。彼らがどう動くのか知っている。ヨーロッパでは、コロナの状況が襲っていても全力で進んでいた。でも、ご存知のように、日本人はヨーロッパ人よりも安全でとても慎重だ。だから、確かにこのコロナの状況で、彼らがヨーロッパのメーカーよりも苦戦しているという点はある。この状況の中で、ヨーロッパのメーカーに対し、日本のメーカーは少し苦戦を強いられている。だから、今日の結果は僕にとって重要だ」

 ともあれ、エミリア・ロマーニャGPの結果がレプソル・ホンダ・チーム、ホンダにとって、大きな意味を持つワン・ツーフィニッシュだったことは間違いないだろう。2021年のシーズンは残り2戦。あと2戦の結果につなげることができるだろうか。


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