●ヤマグチ(普段乗りは1000ccのSSバイクとレンタカー)の新型プレリュード試乗記
■乗り心地評価 ポイント5段階評価
運転席からの見やすさ ★★★★★
ステアリングの操作性 ★★★☆☆
足回りの感触 ★★☆☆☆
アクセル、ブレーキの感触 ★★☆☆☆
シートの座り心地 ★★★★☆
街乗りオススメ度 ★★★★☆
総合評価 ★★★☆☆
コンセプトの『スペシャリティスポーツ』と『日常での使い勝手』の味付けがどうなのか気にして試乗してみた。乗車すると視界の広さ、後方の見やすさに感動し、センターコンソール部のわかりやすさ、ほどよいシートのホールド感も好印象だった。しかし、試乗コースがクローズドで全開走行したこともあり、スポーツカーらしくもっとシートを下げたかったが予想以上に下げられず、少し高めの視界になったことがイマイチではあった。また、ステアリングは最初に乗り込んだ際には大きく感じてしまった。
いざ走り出し、公道ではなかなか経験しない60km/h超での回り込むコーナリングを体感し、ストレートではアクセルを全開に踏み込むなどしたが、シートから身体がズレることもなく、さらに大きく感じたステアリングはハンドルさばきが容易で、ブレもなく違和感は消えた。筆者は手が大きめなので個人差はあると思うが……。また、コーナー出口でのノーズの入りやすさ、トルクは最高のフィーリングで、レスポンスも早くて街乗りや峠を走っても気持ちよく走れることが想像できた。1000ccバイクに乗っている感覚とも思えたのでこの点にはかなり満足した。
逆にトルクが良い分、パワーは90km/hからの伸びが弱く、高速道路での合流やSA/PA出口は少し苦労すると思ったのが難点だ。ブレーキはホンダ車特有なのだろうが、ヤマウラ氏が述べている“しっとり系”は扱いやすい一方、感覚を掴むのには時間がかかりぼやけている印象だった。
ドライブモードは『GT』、『SPORT』、『SPORT』+『Honda S+ Shift』で1周ずつ計3周変更。パワー感と路面の振動や音の変化においては顕著に違いが表れた。エンジン音は回転数の上昇と音量の感覚がつかみづらく、どのあたりの回転数なのかタコメーターを何度も確認してしまった。コーナー出口で回転数を上げたくなりギヤを下げるためパドルシフトに手を伸ばしたが、パドルが小さいため届かなかった。パドルはもう少し長くするアフターパーツがあればうれしい。
まとめると、スポーティではあるが街乗りにオススメしたいクルマとなる。価格は600万円超のため、シビック・タイプRと比べると高価に感じる。若年層もターゲットにしたいようだが、むしろ新旧のホンダファンや昔のプレリュードに乗っていた/憧れていた親子が乗ると楽しめるんだろうなというイメージになった。Honda Carsレンタカーにも配備されるようなので、是非一度は選んでほしい車種ということは伝えたい。



