●『マイルドハイブリッド』元祖は2007年サターン

 プジョー3008、フィアット600、アルファロメオ・ジュニア……ステランティスの48Vマイルドハイブリッド車を立て続けに“味見”した。

『マイルドハイブリッド』とは……という以前に、ハイブリッド動力システムそのものの分類からして曖昧なのだが、ここでは『内燃機関を主体に、あまり強力でない電動機構を加えて走らせる機構』ということにしておく。

 以前は、もともとエンジン補機として存在した発電機(ジェネレーター、交流方式の場合はオルタネーター。その昔の直流発電機はダイナモ、とも呼んでいた)を強化して発電だけでなく、逆の流れでモーターとしても使い、クランクシャフトとの間をつないでいるベルトも強化して、モーターのトルクをエンジンの出力回転に上乗せ。エンジン始動・増速にも使う、という手法。

 思い返せばサターン(GMがトヨタとの合弁製造事業NUMMIの経験を活用して興した先進的コンパクトカーのブランド)のSUV、Vueのバリエーションに加わった(2007モデルイヤー)のが、量産乗用車としては初めてだったはず。

 このとき、モーター/発電機や制御システムの開発・生産を受託したのは日立オートモーティブシステムズ(当時。現・日立アステモ)だった、なんてことを覚えている人ももう少ないだろう。

 その後、日本ではスズキが同様の手法を採用しているが、これは既存の12V電力系のままで、モーター出力が限られ、その使い方としてもCVTとの組み合わせで排ガス・燃費試験の走行モードを追いかけ、日本向け(軽乗用車)は今もそのままなので、動力システムとしての効果が実感できない状態が続いている。輸出仕様の一般車では2024年以降に48V化に踏み出して送り出しているが。他に日本ではマツダもこの手法を導入。ただ電池電圧は24Vでモーター出力もかなり小さい。マツダ車は個人的事情があってこのところ味見する機会がないのだけれど。

●48Vのメリットは低電流化にあり

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