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クルマ ニュース

投稿日: 2021.04.20 12:30
更新日: 2021.04.20 12:52

全車種“勝ち組”のトヨタSUVを深掘り!販売上位独占の理由は?【市販車情報】

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クルマ | 全車種“勝ち組”のトヨタSUVを深掘り!販売上位独占の理由は?【市販車情報】

■RAV4/RAV4 PHV

車両概要

 RAV4の初代と2代目は、コンパクトとミドルの中間に位置するSUVだったが、北米市場での人気の高まりもあって、3代目以降は世界戦略車として開発された。

初代RAV4は1994年に登場。セリカのプラットフォームをベースにしたコンパクトSUVとして人気を博した。
初代RAV4は1994年に登場。セリカのプラットフォームをベースにしたコンパクトSUVとして人気を博した。
2005年に登場した3代目は、北米市場からの要求もあってボディサイズが大きく拡大した。「大きすぎる」という声が挙がったのは、この3代目からになる。
2005年に登場した3代目は、北米市場からの要求もあってボディサイズが大きく拡大した。「大きすぎる」という声が挙がったのは、この3代目からになる。

 それに伴いボディサイズが大きく拡大され、国内のSUV市場はハリアーに任せるというトヨタの意向もあって、先代の4代目は最後まで国内導入が見送られた。

4代目は世界戦略車として人気を確立したが、国内向けはハリアーの快進撃も影響してか、最後まで国内導入はされなかった。
4代目は世界戦略車として人気を確立したが、国内向けはハリアーの快進撃も影響してか、最後まで国内導入はされなかった。

 そんなRAV4は2019年に登場した5代目(現行型)でイメージは一変。全幅は1855mmとグローバルサイズのままだが、最新TGNA技術がもたらす基本性能の高さが評価されて、登場直後から好調なセールスを記録。ハリアー(先代)がモデル末期だったこともあって、国内で瞬く間にミドルSUVの代表モデルとして認知された。

現行の5代目は、トヨタのミドルSUVを求めるニーズに応え、再導入された格好。大柄なボディはそのままだが、基本性能の高さもあって瞬く間にトヨタSUVを代表するモデルに名乗りを上げた。
現行の5代目は、トヨタのミドルSUVを求めるニーズに応え、再導入された格好。大柄なボディはそのままだが、基本性能の高さもあって瞬く間にトヨタSUVを代表するモデルに名乗りを上げた。

 現行型には、ハイブリッド車(プラグインハイブリッド車)はもちろん、ガソリン車にもトヨタの最新ユニットを搭載する。

 また、GA-Kプラットフォームやライン制御型LKA(LTA)まで対応する『トヨタセーフティセンス』、通信連携対応の車載IT『ディスプレイオーディオ』など、最先端のメカニズム&装備も盛り込まれている。

ダッシュボードの中央にディスプレイオーディオを配置するオーソドックスなレイアウトを採用。
ダッシュボードの中央にディスプレイオーディオを配置するオーソドックスなレイアウトを採用。
室内はカジュアルな雰囲気でまとめられている。パネルやトリム類の質感は良好だ。
室内はカジュアルな雰囲気でまとめられている。パネルやトリム類の質感は良好だ。

 ややワイルドな風貌からしてオフロードの方が得意と見られるかもしれないが、上級モデル譲りの新世代シャシーと煮詰められたサスチューンのおかげもあって、他社のミドルSUVを含めても安定感や乗り心地はトップレベル。

 むしろオンロードでこそ本領発揮といってもいい。街中ではややボディサイズを持て余すシーンがあるかもしれないが、実用性も含めた総合力の高さを考えれば、その小さな不満は我慢できるだろう。

■グレード解説&購入ガイド

■価格帯:274万3000円~402万9000円/469万円~539万円

 RAV4は2.0リッター直4を搭載するガソリン車と、2.5リッター直4+モーターを搭載するハイブリッド車を設定。さらに充電機能に対応したプラグインハイブリッド車としてRAV4 PHVも用意されている。

 それぞれに設定されるグレードの違いは主に装備差によるもので、ガソリン車は4タイプ、ハイブリッド車は2タイプ、RAV4 PHVは3タイプの中から選ぶことができる。

 トヨタセーフティセンスやディスプレイオーディオなどは全グレードに標準装備されるため、どれを選んでも実用面で不満は出にくいが、最も“RAV4らしさ”を楽しめるのは、本格的な4WDシステムが組み込まれる2.0リッターガソリン車の4WDモデルだろう。

SUVに求められる性能を高いレベルでクリア。ガソリン車の上級グレードには高度な4WD駆動制御を行うトルクベクタリングAWDを採用するなど、オフロード性能にも優れている。
SUVに求められる性能を高いレベルでクリア。ガソリン車の上級グレードには高度な4WD駆動制御を行うトルクベクタリングAWDを採用するなど、オフロード性能にも優れている。

 ガソリンの4WD車はベーシックな『X』、装備と価格のバランスが良い『G』、『G』に上級装備を追加した『G“Zパッケージ』、内外装をワイルドに仕立てた『アドベンチャー』の4タイプを用意。

 オススメは『アドベンチャー』。ハンズフリーパワーバックドアやパノラミックビューモニターなどの利便装備こそオプションになるが、オフローダー風情や上級AWDシステムが安価に楽しめることは魅力十分だ。

ガソリン車で選べる『アドベンチャー』は、トルクベクタリングAWDなどの上級機能を搭載。
ガソリン車で選べる『アドベンチャー』は、トルクベクタリングAWDなどの上級機能を搭載。

 ハイブリッド車は、2.5リッター直4+モーター仕様。4WD車も選べるがその場合はツインモーターになる。ガソリン車と比べると、ハイブリッド車の車格は事実上1ランク上と考えてよく、同等グレードとの価格を比べると60万円以上の差があるため、ガソリン車とは比較しにくい一面を持つ。

 またキャラも微妙に異なっており、ハイブリッド車は明らかにオンロード寄りの設定。高速走行などでの重みを感じる走りや安定感は惚れ惚れするほど素晴らしいが、エコプレミアムまで含めた価値を求めないならば、価格的に少し中途半端な感もある。

 むしろRAV4のハイブリッド車を検討しているならば、充電機能に対応しているRAV4 PHVをオススメしたい。価格は469万円からと一気に高くなるが、蓄電バッテリーの容量が増えたことでEV走行の幅が広がるだけではなく、モーター出力自体も強化。

 パワフルな走りが楽しめる高性能ハイブリッドモデルという位置付けも兼ねている。2020年のデビュー直後に注文が殺到したこともあって、オーダーストップが続いていたが、2021年2月から注文を再び受け付けているので、RAV4を考えているならば、こちらも検討してみる価値は大いにあるだろう。

RAV4のハイブリッド車を狙うならば、バッテリーが大幅に強化されたRAV4 PHVも視野に入れたい。価格は少々高くなるが、得られる性能を考えれば悪くない選択だ。
RAV4のハイブリッド車を狙うならば、バッテリーが大幅に強化されたRAV4 PHVも視野に入れたい。価格は少々高くなるが、得られる性能を考えれば悪くない選択だ。

■ハリアー

トヨタ・ハリアー
トヨタ・ハリアー

車両概要

 ハリアーはセダンのカムリをベースに発展したミドルSUV。初代から“上質さ”をアピールし、海外ではレスサスRXとしても発売されていた。3代目(先代)からはRXとは完全に別モデルとなり、国内専用モデルとして再出発。上質な内外装や上級装備を武器に、3代目はプレミアムSUVとしての地位を確立し、ハリアーネス(ハリアーらしさを意味する)という造語が生まれるほど圧倒的な支持を集めた。

2013年に登場した3代目ハリアーは、レクサスRXとは別設計の国内専用車。豪華なキャビン空間と数々の上級装備を武器に大成功をおさめた。
2013年に登場した3代目ハリアーは、レクサスRXとは別設計の国内専用車。豪華なキャビン空間と数々の上級装備を武器に大成功をおさめた。

 4代目の現行型は、3代目のプレミアム路線を継承し、都会的な雰囲気で仕上げられている。大きく違うのは中身で、要所要所に最新TNGA技術が用いられている。パワートレインやプラットフォームなどの基本的なメカニズムは、現行RAV4とほぼ共通だ。

2020年に登場した4代目のメカニズムは、ほぼ現行のRAV4と同じ設計。サスチューンなどに独自の工夫が注がれているため、RAV4に比べハリアーの方はオンロード寄りに仕上げられている。
2020年に登場した4代目のメカニズムは、ほぼ現行のRAV4と同じ設計。サスチューンなどに独自の工夫が注がれているため、RAV4に比べハリアーの方はオンロード寄りに仕上げられている。

 また、トヨタセーフティセンスやディスプレイオーディオも全グレードに標準装着されるなど、万能ぶりにも磨きがかかっている。

 RAV4との明確な違いは内外装のデザインで、カジュアルなRAV4に対して、ハリアーはジェントルな雰囲気を強調している。

『G』と『Z』で選択できるレザーパッケージ仕様には、上質な本革パワーシートやシートヒーターを追加。贅を凝らした仕様もハリアーならではの醍醐味。
『G』と『Z』で選択できるレザーパッケージ仕様には、上質な本革パワーシートやシートヒーターを追加。贅を凝らした仕様もハリアーならではの醍醐味。

 さらに、ハリアーは微細な振動を抑えるタイプのサスペンションやロードノイズの透過感を抑える独自の設計を盛り込むなど、プレミアムSUVを意識した工夫も注がれている。
 

グレード解説&購入ガイド

■価格帯:299万~504万円

 2.0リッター直4ガソリン車と2.5リッター直4+モーターのハイブリッド車というパワートレイン構成はRAV4と同じで、価格帯もかなり近い。

 ガソリン車とハイブリッド車とも、グレード展開は同じ。ベーシックな『S』、中間の『G』、最上級の『Z』を基本に、『G』と『Z』にはフルレザー仕様の『レザーパッケージ』が用意され、合計5タイプをラインナップする。

 RAV4ではFF車を選択できないグレードもあるが、ハリアーは全グレードでFF車と4WD車を選択することが可能だ。トヨタセーフティセンスやディスプレイオーディオも全グレードに標準装着されるため、『S』でも不満はない。FF車の『S』は車両価格299万円と、先代と比べても割安さがある。

最もベーシック仕様の『S』(FF車)は、ファブリックシート&内外装の加飾がシンプルになるが、トヨタセーフティセンスやディスプレイオーディオは標準装着。車両価格は299万円と、コストパフォーマンスの良さはトヨタSUVの中でも際立つ。
最もベーシック仕様の『S』(FF車)は、ファブリックシート&内外装の加飾がシンプルになるが、トヨタセーフティセンスやディスプレイオーディオは標準装着。車両価格は299万円と、コストパフォーマンスの良さはトヨタSUVの中でも際立つ。

 
 ハリアーらしい“プレミアム感”を求めるなら、G系やZ系がオススメ。G系とZ系は内外装の意匠が異なるが、車載ITも変わる。G系は8型モニターのディスプレイオーディオだが、Z系は12.3型ワイドモニター+SDナビに強化される。

 ちなみに現行型の目玉機能である調光パノラマルーフは、Z系のみでしか選べないメーカーオプション。本革仕様かつオプションも含めた“全部入り”は、ガソリン車の『Zレザーパッケージ』(FF車)でも500万円に迫る予算になってしまう。

調光機能付きのパノラマルーフは『Z』に設定されるメーカーオプション装備。
調光機能付きのパノラマルーフは『Z』に設定されるメーカーオプション装備。

 ガソリン車、ハイブリッド車とも、抜群の性能を持つが、ハイブリッド車は上級ハイブリッドシステムを搭載することもあって、コスパ抜群のガソリン車と比べると、割高な価格設定。

 とはいえ、重厚な乗り味や余裕のある動力性能を持つハイブリッド車の方が満足できる人は多いだろう。総合的にハイブリッドの『Zレザーパッケージ』のフルオプション仕様というのが、ハリアーのベストグレードと言えるだろう。

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