「日曜日の朝のドライブを楽しむことができるEVセブンの実現は、現在のバッテリー技術でも充分に可能だ。しかし、課題はエネルギー消費量が大幅に増加するサーキットでの使用にある。現時点では、サーキット走行時に求められる急速な充放電に対応するためには、バッテリー液浸冷却が最適なソリューションのひとつなんだ」とレイシュリー氏は付け加えた。

「現段階では、EVセブンをこのままの形で生産する計画はない。このプロジェクトは、EVパワートレインがお客さまの個々の使用ケースに対してどの程度有効なのかを確認するためのテストベッドだ」

「軽量でシンプル、そして“fun-to-drive”という、セブンに必要なケータハム車特有の車両特性を実現する方法を学ぶために、私たちは大きく目を見開いてこのプロジェクトを進めている」

「私たちは、次世代のバッテリー技術が可能にする将来の適切なタイミングで、この車両を市場に投入するつもりだ。だからこそ、今がこのコンセプトを試す時だと考えている」

 ケータハムとともにEVセブンを開発作業にあたっているスウィンドン・パワートレイン社のマネージング・ディレクターであるラファエル・カイレは、次のように述べた。

「1990年代初期にJPE(ジョナサン・パーマー・エボリューション)エディションのセブンに搭載されたボクスホール製エンジンを開発して以来、ケータハムとのパートナーシップは30年以上続いている。そしてこのエキサイティングなプロジェクトを通じて、今後もパートナーシップを継続できることにワクワクしているんだ」

「車体の軽量化や充電速度の目標は、間違いなく野心的なものだった」

「しかし、最先端の液浸冷却式バッテリー技術と独自のパワートレイン部品を使用することで、独自のコアバリューを維持した電気自動車セブンを開発することができた」

 24日(水)に発表されたEVセブンは、イギリス・サセックス州で7月13~16日に開催される『グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード(FoS)』で一般公開される予定となっている。また、ケータハムはEVセブンとは異なるEVスポーツモデルも同時に開発しており、こちらも年内に発表されることがアナウンスされた。

■EVセブン・コンセプト仕様

車両 ケータハムEVセブン
モーター 専用スウィンドン社 HPDE E Axle
トランスミッション シングルスピード、専用レシオ2ステージリダクション
ファイナルドライブ リミテッド・スリップ・デファレンシャル
バッテリー 51kWh(40kWh 実用可能)液浸冷却式バッテリー
チャージング 最大152Kw DC急速充電
シャシー 大型シャシー
ディメンション 全長:3350mm、全幅:1685mm、全高:1115mm
最高出力 240bhp/9000rpm
最大トルク 250Nm/0rpm
重量 700kg未満
パフォーマンス(0-60 mph) 4.0秒(見込み)
パワーウェイトレシオ 340bhp/t
最高速度 209km/h(見込み)
サスペンション ビルシュタイン製アジャスタブル(420カップより)
ホイール 13インチ Apollo ブラックアロイ(フロント6”、リヤ8”)
タイヤ AvonZZR
ブレーキ 4ピストンキャリパー付ベンチレーテッドディスク
ステアリング ラック&ピニオン、ロックトゥロック1.93回転

EVセブンの重量は700未満に抑えられている。パワーウェイトレシオは340bhp/t
EVセブンの重量は700未満に抑えられている。パワーウェイトレシオは340bhp/t
ケータハムEVセブンのロゴ
ケータハムEVセブンのロゴ
バッテリーは最大152kWのDC急速充電に対応。実用可能な容量は約40kWhで、サーキットでの過酷な使用や急速充電にも劣化することなく、安全に使用することできる。
バッテリーは最大152kWのDC急速充電に対応。実用可能な容量は約40kWhで、サーキットでの過酷な使用や急速充電にも劣化することなく、安全に使用することできる。
リミテッド・スリップ・デファレンシャル、セブン420カップのビルシュタイン製アジャスタブルダンパ ー、回生ブレーキ、4 ピストンブレーキキャリパーを装備するEVセブン
リミテッド・スリップ・デファレンシャル、セブン420カップのビルシュタイン製アジャスタブルダンパ
ー、回生ブレーキ、4 ピストンブレーキキャリパーを装備するEVセブン

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