2017 TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race【Clubman Series】第1戦
渾身のタイムアタックで橋本洋平がポールポジションを獲得
開催場所:ツインリンクもてぎ
開催日:4月1日~4月2日
5年目のシーズン開幕戦は、後期型の参入という新しいテーマもあって、どのような様相になるのか? 不安と期待が混じり合った空気のなかでスタートした。
プロフェッショナルシリーズは後期型マシンでの参加が義務付けられ、クラブマンシリーズでは前期型と後期型の混走となる。
後期型ではボディ剛性の向上などの他に、エンジンが7psパワーアップし、さらにファイナルギヤレシオが4.100から4.300へと約5%低くなっている。これによって後期型のほうがパワフルであることは間違いない。
しかし、それで簡単に勝負が決まるほど、レースは単純ではない。熟成が進んだ前期型の速さも侮れず、実際のテストでも大きな差はなかったという。その結果、前期型と後期型の性能調整は行われない。
ブリヂストン装着勢では、昨年シリーズランキング2位を獲得した#75手塚祐弥選手(ブリヂストン)、昨年の十勝で優勝したジムカーナのレジェンド#771菱井將文(ブリヂストン)、そしてPOTENZAのカラーリングをまとった#84橋本洋平(ブリヂストン)らが、レースをリードしていくドライバーとして注目されていた。
●予選
金曜日の夕方から雨が降り、土曜日の予選の時間帯になっても、路面はまだ乾き切っていない状況だった。予選1組、そうしたコンディションであっても、見事なコースレコードを叩き出し、橋本洋平選手がトップタイムを獲得。
2番手の#38神谷裕幸選手(YH)に対して0.989という大きな差だった。菱井將文選手が3番手、手塚祐弥選手が4番手となった。
予選2組では、常にクラブマンシリーズでトップ争いをしてきた#600小野田貴俊選手(YH)がトップタイムをマーク。2番手には#703花里祐弥選手(YH)が入り、ブリヂストン装着勢では4番手に#126庄司雄磨選手(ブリヂストン)が入った。
全体としては小野田貴俊選手よりも、橋本洋平選手が1秒以上速いタイムとなり、結果として橋本洋平選手がポールポジション、予選1組が奇数グリッド、予選2組が偶数グリッドからスタートすることになった。
注目された前期型と後期型の対決は、全体としては59台中後期が19台と、約3分の1のエントリーとなったが、予選トップ10では前期が4台、後期が6台。つまり、少なくとも予選では、やはり後期型のほうが有利にみえた。
●決勝レース
45台のフルグリッドからスタートした決勝Aレースは、全車がスムーズなスタートとなり、ほぼグリッド通りの順位でレースが始まった。
ポールポジションからスタートした橋本洋平選手に、2位の小野田貴俊選手がピタリと背後に付き、プレッシャーをかける。オープニングラップこそ0秒832のギャップがあったものの、それ以降は0秒3以下というテール・トゥ・ノーズの状態でレースが進んでいく。
わずかな隙でもチャンスにしようと意気込む小野田貴俊選手を、巧みなブロックで押さえ込む橋本洋平選手。ジリジリとした緊張感が伝わってくるようだ。
3位の神谷裕幸選手が小野田貴俊選手に追い付いた8周目、橋本洋平選手は130Rで痛恨のシフトミス! 小野田貴俊選手だけでなく、神谷裕幸選手にもオーバーテイクを許し、3位へと後退してしまう。
橋本洋平選手は、順位を取り戻そうとチャレンジするものの、レースはそのままの順位でチェッカーフラッグを受けた。ブリヂストン装着勢としては、菱井將文選手が4位と、上位入賞を果たした。
●コメント
3位表彰台を獲得した#84橋本洋平選手(ブリヂストン)のコメント
「前期型と後期型が混じって走っていることで、それぞれ速いコーナーが違うんです」
「しかも前期型が速いところと、このコースのパッシングポイントが重なっているんです。それでちょっと辛かったですね。だからギリギリで堪えていたんですけど、5コーナーからの立ち上がりでシフトミスをしてしまいました」
「最後までミスなく走らないと、やっぱり優勝できないということですね。まだまだ自分が足りてないんだな、と思いました」
「タイヤは予選で速さを見せることができました。決勝レースの天候が不安定だったので、コンディションが読み難くて、タイヤ戦略的には難しかったですね」
