ST-3クラスは第1戦を38号車muta Racing TWS IS350の堀田誠/阪口良平組が制し、連覇に向けて幸先の良いスタートを切った。しかし、第2戦はセーフティカーランのタイミングが悪く、ピットを離れた時にピットレーンエンドでレッドランプが灯る不運に見舞われて勝負権を失ってしまう。
フェアレディZと相性抜群の第2戦SUGOで久々の優勝を飾ったのは、15号車岡部自動車Rn-sチームテツヤZ34の長島正明/田中徹/田中哲也組。
激戦区を物語るかのようにウエイトを積むのは6チームで2戦連続で表彰台に立ったチームはいない。最大でも20kgでこのクラスにはすべてのチームに勝負権がある。

しかし、「このコースは僕らにとって地元だし、前回のレースを取りこぼしてもいるので、今回は絶対に勝ちたいと思っています」と語るのは38号車の阪口。連覇に向けて、連敗など喫するつもりはまったくなさそうだ。
ST-3クラスにはスーパーGTでもお馴染みの本山哲率いる、SKT team motoyama Z34も参戦しており、現在ST-3のランキング4位。本山と同じくスーパーGTに参戦する安田裕信、そして松原怜史の組み合わせで、ここからの巻き返しが期待される。
ST-4クラスは、ST-3クラスとは逆でウエイトを積むのはわずか3チーム。つまり、順位こそ入れ替えているが、同じ3チームが表彰台を続けて獲得している。
ここまで2位、1位と右肩上がりでランキングトップに立つのは、86号車TOM’S SPIRIT 86の松井孝允/蒲生尚弥/坪井翔組。開幕戦を制した93号車SKR ENGINEERING S2000の太田侑弥/佐々木雅弘組が続く一方で、昨年のチャンピオンチーム、13号車ENDLESS ADVAN 86の小河諒/高橋翼/花里祐弥組は未だ優勝を許されていない。
特筆すべくは、前回のレースでSKR ENGINEERING S2000が予選でミッショントラブルを強いられながらも、3位入賞を果たしていることだ。
一時は牙を抜かれた印象もあったS2000ながら、今年から改められたコントロールタイヤとの相性もよく、逆襲の可能性も十分にありそうだ。

「86号車なんか若くて速いドライバーが乗っていて、放っておいたらそのまま行っちゃいそうなので、僕らが必死に抵抗してシリーズを盛り上げないと。太田さんもS2000に長く乗っているスペシャリストだし、やっぱり鈴鹿はホンダ車のファンが多いから、期待に応えてみせますよ」と佐々木は力強く語っていた。
ST-5クラスではFRで絶対のハンドリングの良さを自慢とするロードスター勢が東コースで、クラス随一のパワーを誇るフィット勢が西コースで猛威を振るうことが予想される。
ただし、このクラスは小排気量ゆえウエイトハンデが、もっとも影響を及ぼすと言われている。前回の優勝で20kgを積む88号車村上モータースMAZDAロードスターNDの村上博幸/脇谷猛組や、第1戦を制した700号車J’S RACINGホンダカーズ浜松北ダークみきゃんFITのヒロボン/寺西玲央組も15kgを積んでいるため、苦戦を免れないかもしれない。
今回の主役として名乗り上げてくれそうなのが、ロードスター勢では2号車TEAM221 BOMEX withオートラボND5RCの筒井克彦/山下潤一郎組と、フィット勢ではディフェンディングチャンピオンの69号車J’S RACINGホンダカーズ浜松北みきゃんFITの大野尊久/梅本淳一/山田秀明組だ。とくにみきゃんFITは、ここまでの2戦トラブル続き。悔しい思いを溜め込んでいるだけに、そろそろ爆発させようと、この一戦に賭けているはずだ。

今回のレースはドライバー交代を要するピットストップの義務づけが4時間レースであるにもかかわらず、通常どおり2回というのがポイントのひとつである。
45Lタンクで1回の給油量が20LまでのST-5クラスは、2回で済ますのは九分九厘不可能だろう。
その他のクラスでも、4時間を単純に三分割すると1時間20分となり絶対に無理とは言い難い。
序盤にセーフティカーが長く入れば、燃費も稼げて後の展開を楽にするかもしれないが、むしろ逆のパターンの方がありそうだ。もう少し引っ張りたいタイミングでSCが入り、ロスを最小限にするためドライバー交代を行うという方が効率的だ。
ただ、1回多い分にはドライバー交代の義務づけはない。そこであらかじめ3ストップを予定して1回は給油のみという作戦もあるだろう。各チームのピット戦略にも、是非とも注目してほしい。
さらに、今回の鈴鹿のS耐開催時にこのS耐観戦券を提示することで、6月24~25日に鈴鹿で行われるGTカーレース『Blancpain GT Series Asia』の前売り観戦券が通常の半額の1000円で購入できるという。他にも『Blancpain GT Series Asia』に向けたお得な情報があるので、鈴鹿サーキットの現地でゲットしてもらいたい。
