当然、またもSCがコースに入り、3度目の先導は4周に渡った。リスタートの後、1コーナーではトップを守った高橋ながら、2コーナーで痛恨のコースアウトがあり、その脇を宮田と大滝、石坂が駆け抜ける。そのまま逃げるかと思われた宮田だったが、続く3コーナーの立ち上がりで姿勢を乱したところを大滝と石坂は見逃さず、するりとかわされてしまう。
そして馬の背では、高橋が澤田にも抜かれて5番手に後退。ホームストレートに戻ってきてコンマ7秒の差を石坂に対し、つけていた大滝は残り3周、さらに差を広げてゴールすることに成功。ほぼ1年ぶりの勝利を奪うこととなった。
「(チームメイト同士のアクシデントの時は)幸い、僕は後ろの方だったので、なんとか避けることができました」と大滝。
「でも、けっこうギリギリでしたけど。SUGOはほとんど走ったことはないんですが、(山形出身で)地元ということもあって、ホームコースも同然なので、いつもよりリラックスして走れたのが、いろんな意味で良かったのかもしれません。最後のリスタートも、何か起こりそうな予感がしたので、ちょっと引いていたら、うまく行きましたし」
「とにかくホッとしました。今度はちゃんとレースをして、自分の力で勝ちたいですね!」
最後まで宮田を抑え抜いて、2戦連続で表彰台に上がった石坂ながら、勝てるチャンスも充分あっただけに、そこでの表情に笑顔はなかった。