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国内レース他 ニュース

投稿日: 2021.09.21 18:24

iCraft 2021スーパー耐久第5戦鈴鹿 レースレポート

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国内レース他 | iCraft 2021スーパー耐久第5戦鈴鹿 レースレポート

MEDIA INFORMATION
2021年9月21日

iCraft レースレポート
スーパー耐久シリーズ 2021 Powered by Hankook 第5戦
『SUZUKA S耐』

9月18日〜19日
鈴鹿サーキット(三重県)
予選:晴れ/ドライ 入場者数:1,700人
決勝:晴れ/ドライ 入場者数:4,600人
TRES☆TiR☆NATSロードスター(マツダロードスター ND5RC)金井亮忠/山野哲也/猪爪杏奈

一時は夢見た初優勝。最後に涙を飲んで4位となるも、多くの財産を得る!

 2シーズン目のスーパー耐久シリーズに挑むiCraft(猪爪俊之:監督)は、激戦区として知られるST-5クラスに、マツダロードスター『TRES☆TiR☆NATSロードスター』で参戦。日本自動車大学校(NATS)の支援を受け、学生たちがマシンを製作し、メカニックを担当する。オートポリスで行われた第4戦では、一時トップを走行。昨年、表彰台に上がった相性のいいコースで2年連続の期待がかかるも、タイヤ選択の妙もあって、あと一歩届かず4位となった。

 いよいよシリーズも残すところ、あと2戦。鈴鹿サーキットが舞台の第5戦、5時間レースにおける、最大の話題は山野哲也を助っ人として起用したことだ。JGTC/スーパーGTで3度のチャンピオン経験を持ち、全日本ジムカーナ選手権ではV21を達成したばかりのスーパースターの、かつてライバルでもあった猪爪俊之監督による、強い要請によって実現した。

 鈴鹿といえば、世界的にも屈指のテクニカルコースであり、ドライバーのみならずチームの能力が問われることでも知られている。そこで山野の経験や知識が伝授されることによって、あらゆる意味でのスキルアップが期待されるとともに、もちろん優勝を目標として戦っていく。今回は3人体制で臨み、金井亮忠をAドライバー、山野をBドライバー、そして猪爪杏奈をCドライバーとして起用する。

公式予選
 昨年はコロナ禍で中止となったため、鈴鹿でのスーパー耐久は2年ぶりの開催となり、参戦2年目のiCraftとしては、初めて臨む舞台でもあった。その一方でドライバーの経験は豊富。金井と山野は言うまでもなく、猪爪もVITAで1週間前にレースを経たばかり。

 その意味では、ドライバーの習熟に関しては、一切不要でもあった。練習走行は木曜日から開始されたが、山野はすんなり溶け込めたという。車両に対する印象も良く、特に高い剛性感に感銘を受けていた。余談ながら金井は、かつて山野がクスコインプレッサをGTで走らせていた時のサポートメンバーで、しかも免許取り立ての頃、山野が主催するドライビングレッスンを受講していたことが初めて発覚!

 ただ、今回の懸案要素は、なんと言っても近づいていた台風による影響だ。木曜日の練習走行、金曜日午前の専有走行まではドライコンディションは保たれていたが、午後の専有走行は強い雨に見舞われてしまう。そのため、金曜日のうちにあらかじめスケジュール変更が発表され、土曜日午前のフリー走行の中止、午後の予選も1時間遅らされることになった。

 併せてBドライバー予選がAドライバー予選の前に行われることとなったが、これは上位クラスのAドライバーの多くが、ジェントルマンドライバーであることに対する配慮でもある。ちなみに専有走行において、ドライ・ウェットともに『TRES☆TiR☆NATSロードスター』は2番手タイムを記しており、これは予選、決勝レースに向けて何よりの好材料といえよう。ドライで山野がマークした2分33秒654は、予選のターゲットタイムにもなっていた。

 さて、肝心の土曜日だが、夜半のうちに台風は通過しており、朝にはもう雨はやんでいた。何はともあれ、大事に至らず良かったと思うべき。そして予選が行われる頃には、もう路面はほとんど乾いていて、一部にウェットパッチを残すだけとなっていた。

 先に行われたBドライバー予選に臨んだ山野は、しっかりクリアラップを取るべく、すぐにはコースインせず。結果、しっかり位置取りしていたのは「さすが」の一言。計測2周目には、ターゲットタイムをはるかに超える、2分32秒229をマークする。

 しかし、その後の走行ではタイムアップならず、しっかりクールダウンして再度アタックするも、タイムは伸びていかなかった。実はこれには理由があって、ミッションが不調を来していたのである。それでも2番手につけて、金井にバトンを託す。短いインターバルであるにも関わらず、メカニックたちはしっかり対策を施して、金井にマシンを委ねたことによって、周回を重ねるごとタイムを詰めていく。

 最終ラップのアタックにおいて、2分31秒936にまで短縮。金井もまた2番手につけて、合算タイムでも『TRES☆TiR☆NATSロードスター』は2番手につけることとなった。

 この後に行われたCドライバー予選では、猪爪がセッティングも兼ねて走行し、2分36秒475を記録して5番手となっていた。

金井亮忠

「フリー走行ではユーズドタイヤで走っていたので、予選で初めて新品タイヤを履いたのですが、鈴鹿サーキットをロードスターで走ると、『こんなに楽しいのか』って(笑)。いつも乗っているF4よりも全開率が高くて、特にS字はもの凄く楽しかったです。クルマの動きもすごく良く、僕も山野さんと同じようなタイムで走れたので、決勝でも安定した走りができれば良い結果が待っていると思っています」

山野哲也

「今週末の中で、クルマが一番良く走っているので、そういう意味では良かったかな。ただ、予選ではミッションが入らなくて、すべての周でロスしてしまったので、自分の中では悔いも残りますね。かといってポールが獲れたかというと、ちょっと難しかったかも。トップのクルマは速かったから、そこには追いつかない感じでした。でも、2番手にいて決勝は長いから、戦略を含め、いかにトラブルなくチェッカー受けることができるかがポイントになるので、そこには自信があるって感じですね」

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