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国内レース他 ニュース

投稿日: 2022.03.21 18:00
更新日: 2022.04.07 00:50

TKRI 2022スーパー耐久第1戦鈴鹿 レースレポート

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国内レース他 | TKRI 2022スーパー耐久第1戦鈴鹿 レースレポート

TKRI

ENEOSスーパー耐久シリーズ2022 Powered by Hankook
第1戦 SUZUKA 5時間耐久レース

2022年3月19日(土)〜3月20日(日)
鈴鹿サーキット(三重県)
入場者数:3月19日 1,600人
     3月20日 3,400人

ST-Xデビュー戦で全員が力を合わせ好走
嬉しい2位表彰台を獲得!

FREE PRACTICE
 2020年から2021年、スーパー耐久シリーズのST-Zクラスを舞台に戦いを続けてきたTKRIは、2022年、新たな一歩を踏み出すことになった。これまで2年間、苦楽をともにしてきたDAISUKE、元嶋佑弥のコンビ、そして抜群のチームワークをみせるRS FINEのメンテナンスという体制は変わらないが、これまで使用してきたGT4車両から、新たにGT3車両であるメルセデスAMG GT3にスイッチすることになったのだ。ジェントルマンドライバーがドライブする前提の車両だが、強力なパワーとダウンフォースをもつ。DAISUKEにとっては未知なる挑戦だ。また、元嶋にとっても初めてドライブするマシンとなる。

 そして何より、ST-Xは非常に速いジェントルマンドライバーたちが集う。ハードルは高いが、その挑戦に向け、今季は頼もしい助っ人も加わった。SUPER GTをはじめ、国内トップカテゴリーで戦ってきた中山友貴を招聘。もちろん、RS FINEにとってメルセデスAMG GT3は勝手知ったるマシンなのも心強い。

 迎える鈴鹿での開幕に向け、DAISUKEは少しでもマシンに慣れようと公式テスト等で経験を積み、3月17日(木)の特別スポーツ走行で1時間ずつの走行をこなした。2021年、鈴鹿では自らのドライビングで苦戦を強いられてきた。GT3への慣れ、さらに鈴鹿の苦手意識の払拭と課題は多かったが、精力的に周回し、元嶋、中山のアドバイスでメキメキと向上。これまでの走行で、すでに中山もしっかりとチームに溶けこみ、良い雰囲気のなか「すごく楽しいです」と手ごたえを得て初日を終えた。

 ただ、明けた18日(金)は開始直後から雨が降り出してしまうことに。19日(土)以降はドライコンディションの予報が出ていたことから、チームは朝に1枠設けられていた特別スポーツ走行のみを走り、2回の専有走行は走行を見合わせ、英気を養うことになった。

QUALIFY
 明けた3月19日(土)は、雲が多いもののドライコンディションに。午前10時40分からのフリー走行では元嶋からコースインし、DAISUKEに交代。ふたたび元嶋に代わり、2番手で終える。木曜の走行から得られたセッティングが好感触で、自信をもって午後2時からの予選に臨んだ。

 まずAドライバー予選では、DAISUKEが2分05秒309をマーク。見事ST-Xでの初めての予選で4番手につけてみせた。さらに、続くBドライバー予選では、元嶋が魅せた。小雨がパラつくなか、2分00秒118をマークしトップに。合算で見事3番手につけてみせたのだ。

 さらに、Cドライバー予選でも少ない週末の走行時間にもかかわらず、中山は2分05秒372をマーク。2番手につけてみせる。フィーリングは非常に良く、TKRIとしては最高のST-Xでの船出となった。

RACE
 予選3番手と好位置につけ、ST-Xでの初レースに挑むことになったTKRI 松永建設 AMG GT3。迎えた3月20日(日)の決勝日は晴天に恵まれ、午前11時40分からの決勝レーススタートを迎えた。昨年までのST-Zも同様だったが、いかにAドライバーのDAISUKEがタイムを稼ぎ、プロのふたりに繋げるかが重要。チームはDAISUKEをスタートドライバーに据え、決勝に臨んだ。

 スタートを務めるドライバーは各チームによって異なるが、当然プロを据えているチームもいる。1周目からDAISUKEは集団のなかで奮闘しながら、なんとかラップタイムを刻んでいく。タイトなコースレイアウトの鈴鹿で50台が出場するレースだけに、他クラスのオーバーテイクも困難。DAISUKEは他クラスのバトルを前に躊躇してしまうこともあったが、チームから課されたミッションである『クラッシュせずにマシンを持ち帰る』という目的を果たすべく、必死にコントロール。途中、日立AstemoシケインでST-5クラスの車両のクラッシュがあったりと荒れたレース展開だったが、DAISUKEはタイヤのピックアップにも気をつけながら、25周の大役をこなしピットへマシンを戻した。

 ステアリングを受け継いだのは元嶋。ST-Xでは初レースではあるが、DAISUKEの頑張りに応えるべくTKRI 松永建設 AMG GT3をアグレッシブに走らせていく。ただ、同様に他車のオーバーテイクには大いに気を遣う展開。元嶋は好ペースで周回を重ねると、順位も上昇。トップ争いも照準に入って来た。

 元嶋は38周を走りピットインすると、中山に交代する。途中、中山の背後からはペースに優る#81 GT-Rが接近する。中山は決して無理なバトルをせず、#81 GT-Rの先行を許しはしたが、それでもペースは決して悪くない。

 元嶋と中山の頑張りにより、レースが終盤を迎えるころにはTKRI 松永建設 AMG GT3の順位は3番手に。予選後、河野高男監督は「表彰台は獲っておきたい」と語っていたが、そのとおりの順位につけていった。大きく先行するトップ2台は激しく争いながら走っていたが、中山から交代した元嶋はきっちりポジションを守りながら、残り1時間のレースを進めていた。

 そんななか121周目、トップ争いに変化があり#16 ポルシェが首位に立ったのもつかの間、123周目にST-5車両とクラッシュし、ピットにマシンを戻してしまった。これでTKRI 松永建設 AMG GT3は2位に浮上。アクシデントに気をつけ、そのままチェッカーを受けた。

 ST-Xでの船出のレースで、望外の2位表彰台にチームは喜びに沸き立った。特に2021年、鈴鹿で苦戦を強いられたDAISUKEにとって、表彰台からの景色は格別なものとなった。このチームなら、トップを狙える──。TKRIは新たな夢を得て、開幕戦を締めくくった。

TKRI 2022スーパー耐久第1戦鈴鹿 レースレポート
TKRI 2022スーパー耐久第1戦鈴鹿 レースレポート

DRIVER’S VOICE
DAISUKE

昨年苦しい思いをした鈴鹿で表彰台に立てて嬉しいです! 今季ST-Xにステップアップし、速度域も変わりましたし、レースの前はかなり苦労するのではないかと思っていました。しかし元嶋選手、中山選手のアドバイス、そして監督の導きもあり、順調にレースを戦えたと思っています。とはいえ今までにない速さでのトラフィックの処理、バトルのなかで少し引いてしまったりと、ST-Xならではの難しさがありましたね。そんななかで幸先良く2位表彰台を獲得できました。今シーズンはどれだけ表彰台に乗れるかに挑みたいので、今後も頑張っていきたいですね!

元嶋 佑弥  YUYA MOTOJIMA
良かったです。みんながノーミスでレースを戦えたことが表彰台に繋がったのではないでしょうか。僕たちは僕たちの戦い方ができましたし、終わってみての数字が大事ですからね。自分自身にとっても初めてのST-Xのレースで、どうなることかと思っていましたが、みんながベストを尽くすレースができたのではないでしょうか。DAISUKE選手も走れば走るほどアベレージが上がりましたし、今季中山選手が加わり僕自身も勉強ができています。DAISUKE選手の速さも証明できました。今後もシリーズチャンピオンを目指して頑張っていきたいと思います。

中山 友貴  YUUKI NAKAYAMA
チームとしてのST-Xデビュー戦でこの結果は上出来だったのではないでしょうか。RS FINEのメンテナンスも素晴らしいですし、DAISUKE選手も元嶋選手もみんながミスなく走れての2位ということで、まさに“上出来”な週末でしたね。唯一、表彰台のシャンパンにアルコールが入っていなかったのが残念でしたが(笑)、早く優勝してシャンパンファイトをしたいです。このチームはみんなが高めあえる雰囲気がありますし、プロデューサーの片岡龍也さんが作ってくれた雰囲気が素晴らしいです。良いチームに加えていただいたと思っています。


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