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投稿日: 2023.03.28 15:26

TKRI 2023スーパー耐久第1戦鈴鹿 レースレポート


国内レース他 | TKRI 2023スーパー耐久第1戦鈴鹿 レースレポート

TKRI

ENEOSスーパー耐久シリーズ2023 Powered by Hankook
第1戦 SUZUKA S耐

2023年3月18日(土)〜3月19日(日)
鈴鹿サーキット(三重県)
入場者数:3月18日 3,800人  3月19日 8,500人

開幕戦でまずは表彰台ゲット!
ST-Xでの2年目の進化を実感

FREE PRACTICE
 TKRIにとって4年目となる、2023年のスーパー耐久シリーズへの挑戦が始まった。2022年にST-Xクラスにスイッチし、速さをみせるも初優勝には手が届かなかったが、今季目指すはもちろん表彰台の頂点。今季もDAISUKEと元嶋佑弥、中山友貴という抜群のチームワークを誇る3人がTKRI松永建設 AMG GT3のステアリングを握る。

 チームは事前の公式テストには参加せず、鈴鹿サーキットのスポーツ走行を使って一度テスト。3月16日(木)の午後0時15分にスタートした特別スポーツ走行から鈴鹿の習熟に臨んだ。2022年の開幕戦となった鈴鹿では表彰台を獲得することができたものの、DAISUKEにとって鈴鹿はまだまだ習熟が足りない自覚があった。この課題克服のために、小春日和の木曜走行から積極的に走行に取り組んだ。

 明けて3月17日(金)は、曇り空のもとやや冷え込むなかで午前10時から占有走行がスタート。DAISUKE、元嶋と交代しながら周回を重ね、2番手につける。

 さらに午後2時35分からスタートした全クラス混走の占有では、DAISUKE、元嶋、中山、そしてふたたびDAISUKEと交代しながら走行。こちらも2番手となった。2022年と比較すると、DAISUKEのタイムも大幅に向上しており、たしかな手ごたえを得て2日間の走行を締めくくった。

QUALIFY
 遠くに伊勢湾を見渡す快晴のもと迎えた決勝日。午前11時45分からの決勝のスタートは、この週末が始まる時点から、DAISUKEに決まっていた。昨年同様、混戦のなかで走り抜き、元嶋と中山のふたりで追い上げを期する作戦だ。

 1周目、DAISUKEはひとつポジションを落とし5番手につける。翌周には#819 GT-Rにかわされひとつポジションを落としたが、それでもペースは悪くない。6周目を過ぎるとDAISUKEにとっての課題であるラップダウンをかわしながらの周回を強いられるが、序盤4番手につけていた#1 GT-Rがペナルティを受け後退するなど、トップ5圏内をキープ。19周を過ぎる頃になるとふたたび#1 GT-Rが追いついてくるが、これをうまくいなす走りをみせた。

 今季、スーパー耐久の規定変更にともない、DAISUKEは75分以上の走行をこなさなければならない。昨年よりも15分長く、ピットも「長いな……」と感じはじめていた。ただそんな中、29周を過ぎるころ、エンジントラブルを起こした車両がおり、オイル処理のためにフルコースイエローが導入され、さらにその後セーフティカーに切り替えられた。

 ちょうどこのタイミングで、DAISUKEは規定周回を消化しきることができ、他車とともにピットイン。元嶋にステアリングを託した。ピットアウトした時点で、順位は5番手。先行してピット作業を行っていた首位の#31 RC Fとは1周差があり、タイム差は2分以上。元嶋と中山がこの差を削っていく作業がスタートした。

 昨年も毎戦のように見られたとおり、鬼神のごとき追い上げをスタートさせた元嶋は、39周目にはラップダウンを戻し、どんどんタイムを削っていく。このスティントでトップに立った#500 GT-Rは非常にペースが速いが、58周目には#819 GT-Rのコースアウトに乗じ4番手。さらにライバルである#14 メルセデスとの差をどんどん縮めていった。

 62周目、元嶋はついに#14 メルセデスをオーバーテイク。さらに、トップを走っていた#31 RC Fの度重なるペナルティにも乗じ2番手まで浮上。レースが2時間46分を過ぎた70周目、ピットインを行い中山に交代した。

 中山も着実なペースで周回を重ね、トップの#500 GT-Rとのギャップを保っていたが、そんな中、レースが残り1時間30分が近づこうかというタイミングで、コースサイドにストップ車両が続出。フルコースイエローが導入された後、セーフティカーに切り替えられ、ここでTKRI 松永建設 AMG GT3は再度ピットイン。ふたたび元嶋に最後の追い上げを託した。

 ただ102周目、ST-5クラスのトップ争いのなかで130Rで激しいクラッシュが発生。コース上に車両、破片が散乱してしまった。元嶋はすぐ後方にいたが、グリーン上に逃れ事無きを得た。レースはすぐにフルコースイエローとなったが、すぐに赤旗中断。そのままレースは終了となってしまった。TKRI 松永建設 AMG GT3は2位でレースを終えることになった。

 もし仮に赤旗中断とならず、セーフティカーとなっていた場合、トップの#500 GT-Rとのギャップを縮められる可能性もあった。また異なる戦略を採っていた場合、優勝も夢ではなかった。しかし、まずは優勝を争える実力をしっかりと示し、今シーズンの目標に定める優勝を射程に入れることになった。

TKRI 2023スーパー耐久第1戦鈴鹿 レースレポート
TKRI 2023スーパー耐久第1戦鈴鹿 レースレポート

DRIVER’S VOICE
DAISUKE

決勝は元嶋選手の走りに尽きるのではないでしょうか。素晴らしい追い上げをみせてくれましたし、2位表彰台はその追い上げがすべてですね。それにしても鈴鹿は本当に難しいコースですね。今回、レースでは最後は赤旗終了となってしまい、少し消化不良にはなってしまいましたが、今年もそんな難しいコースで戦えることが分かりました。開幕戦で昨年に続く2位という結果を得られたのは、出だしとしては素晴らしいものでしたし、今年はみんなで表彰台のてっぺんに立つ目標を持っているので、これからも練習して、良い結果が残せるように頑張っていきたいと思っています。

元嶋 佑弥  YUYA MOTOJIMA
スタートからDAISUKE選手が安定した走りをみせてくれ、ノーミスで僕に繋げてくれたことが結果に繋がったと思っています。僕はいつもどおりプッシュするだけでしたし、レースの最終局面で中山選手がトップ争いができるお膳立てをしてくれました。最終スティントは自分も自信をもって臨んでいましたが、ここから……というタイミングで赤旗終了となってしまいました。ただ、まずはこうして優勝争いができる位置で戦うことができたことは、2年目の大きな成長だと感じていますし、今シーズンのこれからのレースが本当に楽しみですね。

中山 友貴  YUUKI NAKAYAMA
チームで2年目の開幕戦でしたが、スタートからDAISUKE選手がうまくファーストスティントを走りきってくれたと思います。そこから元嶋選手が追い上げてくれて、自分が途中を繋ぎ、タイヤのタレがあるので少し抑えながら走っていたのですが、トラフィックがかなり難しかったです。それでもタイヤを残していたのですが、セーフティカーが入り最後のプッシュができなかったのは残念でした。ただしっかりバトンを繋ぐことができました。赤旗終了は残念ですが、ドライバーさんが無事だったのは良かったですし、表彰台で開幕戦を終えられたのは良かったですね。

河野 高男 監督  TAKAO KOHNO
序盤からDAISUKE選手が良いペースで走ってくれたと思います。ふだんはDAISUKE選手をレースの最後に据えることが多かったのですが、クールスーツをDAISUKE選手しか使わないので、今回はこれがいちばんスムーズにいく戦略だと判断してのことでした。とはいえどっちもどっちですからね。またセーフティカーでピットインを行うこともできましたが、他も同じ条件です。レース終盤は面白い展開にできましたが、元嶋選手、中山選手が頑張ってくれたおかげ。優勝のチャンスもあったかもしれませんが、2位は良い結果となったのではないでしょうか。

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