一方、超強力ラインアップで挑むのは、もてぎ近隣にファクトリーを構える、地元チームでもあるLe Beausset Motorsportsだ。レクサスRC350を託したのは、嵯峨宏紀と中山雄一、そして山下健太。いずれもフォーミュラで鍛え上げられたドライバーだ。今回は山下が同日開催のスーパーフォーミュラの公式テストに出場するため、FIA-F4で育成中の平木湧也が代役を務めることになっている。

 さらに、トヨタ・マークXを走らせる埼玉トヨペットGreenBraveからも、レジェンドの服部尚貴が参戦する。

 しかし、強烈な相手たちの参戦にも、連覇を目論むTRACY SPORTSの堀田誠と阪口良平は、少しも動じる様子はなさそうだ。昨シーズン、快進撃を重ねたレクサスIS350にどれほど惚れ込んでいるかは、疲労の進んだシャシーを入れ替えて挑むというから、相当なレベルであるのが分かる。引き続きの大暴れすることは間違いない。

Team NOPROのマツダ・アクセラ・ディーゼルターボ
Team NOPROのマツダ・アクセラ・ディーゼルターボ

 また、今シーズン希少なニューカマーは、マツダ・アクセラだ。TEAM NOPROが昨シーズン、ST-5クラスで優勝を飾ったデミオ同様、ディーゼル・ターボを搭載する。正直なところ、一発の速さではレシプロNAエンジンで大排気量のライバル車両にかなうべくはないだろうが、燃費に優れることと、より軽量であること、さらにFF車両であることを武器にして、一味違う戦いを披露してくれることを期待しよう。

 最多勢力を誇るST-4クラスは、今やトヨタ86/スバルBRZ勢で大半が占められるようになった。昨シーズン、ほかの車両が優勝したのは第5戦岡山のTC CORSEのマツダ・ロードスターに一度のみ。

 このクラスで、長らく天下を取ってきたホンダ車が一度も勝てない歴史的なシーズンにもなってしまった。もてぎ戦では、なんとか逆襲を遂げて欲しいところだ。その鍵を握る、ひとつのポイントは天候とも言えるだろう。特にシビック、インテグラを走らせるチームは、FF車両で雨も得意とする。どんな天候で争われるかが勝負の分かれ目にもなりそうだ。

 昨シーズンのチャンピオンチームであるトヨタ86のENDLESS SPORTSは、小河諒がエースを務めることでは変わらぬものの、パートナーがF3で活躍した高橋翼に、そして86/BRZレースクラブマンでも活躍中の花里祐弥に改められた。新天地に挑む若手ふたりが、どれだけ成長を果たすか大いに注目だ。

 対して新興勢力として、熱い視線が注がれているのが、トヨタ86のT‘S conceptで片岡龍也が監督として指揮を摂る。ドライバー目線での采配が、大いに見ものである。

 スーパー耐久の観戦の楽しみは決勝だけではない。独自のシステムを採る予選にも注目して欲しい。複数のドライバーが組むレースであっても、通常はひとり速いドライバーがいればいいが、スーパー耐久ではAドライバーとBドライバーの合算タイムでグリッドが決定する。

 したがって、ひとりタイムがずば抜けていても必ずしもポールポジションを獲得できるとは限らず、むしろともにトップでなくとも、揃って上位につけていれば獲得できることさえある。だから、セッションが終わった直後の緊張感は、他のレース以上。そんな状況を一緒に味わって欲しい。

 そしてサポートレースとして行われるのは、86/BRZレース。今シーズンもプロフェッショナルシリーズにはトップドライバーが大集合。連覇を狙う佐々木雅弘、王座返り咲きを狙う谷口信輝を核として、激しい戦いが繰り広げられるのは、絶対に間違いのないところ。このふたりをも脅かす、新たな存在の登場にも期待したい。

 レース以外にもイベントが充実だ。レースイベントではおなじみのピットウォークをはじめ、2レース制のためグリッドウォークも土日両日開催。セッション終了後には、コースウォークやパルクフェルメウォークでレース後のコースを身近に体感することも可能だ。

 さらに、レースが開催されるレーシングコースを自身の車でパレード走行できる「みんなでスーパー耐久ファミリーパレード」も楽しみのひとつとなるだろう。150台限定でツインリンクもてぎの公式サイトより事前申し込みが必要なのでお忘れなく。

 グランドスタンド裏のイベントエリアでは、レースクイーンたちが出演のキャンギャルステージはもちろん、スーパー耐久シリーズ・イメージガール「フレッシュエンジェルズ」の初ライブも行われる。また、ツインリンクもてぎ開業20周年を記念したお子様限定の大抽選会も開催されるなど、ファミリーで楽しめるイベントも盛りだくさんだ。

 4月最初のウイークエンド、サーキット全体がアツいツインリンクもてぎで、レースを楽しんでみてはいかがだろうか。

本日のレースクイーン

優羽ゆうは
2025年 / スーパー耐久
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