ドライバーたちにとっては、地獄のような環境でのレースとなった今年のカタールGP。それはパワーユニットに関しても同様だった。

 カタール入りした直後から、高い気温の中で週末を過ごしていたホンダ・レーシング(HRC)の折原伸太郎(トラックサイドゼネラルマネージャー)は、こう語る。

「日曜日は、レースが終わった後もずっと暑かったです。体感的にはシンガポールGPよりも暑かったと思います。実際、パワーユニットの温度もシンガポールGPよりもきつかったです」

 今年のカタールGPでパワーユニットの温度管理が厳しかったので、2年前よりも1カ月以上も早く開催されて、そもそも気温が高い季節に開催されたことだけが原因ではないと折原GMは分析する。

「空力の感度がシンガポールよりカタールのほうが高いので、車体側としてはあまりボディワークを開けたくないという環境も影響していたと思います」

 パワーユニットにとって厳しかったのは、温度だけではない。縁石を通過した際の振動によるタイヤのダメージを考慮して、日曜日の決勝レースは1セットのタイヤでの最大周回数が制限されて、3ストップを余儀なくされた。そのため、ドライバーたちはタイヤを労わる必要がいつものグランプリよりも少なくなったので、全開率が高くなった。

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