今年の『RB20』から得られるものがまだたくさんあるという自信を示した同氏。チームがどれだけ早く前進できるか、またどの分野で進歩が必要だと考えているかという問題について、ベテランエンジニアはこう述べた。

「このマシンの開発を継続し、近い将来にかなりのパフォーマンスを発揮できると確信している。あらゆるものを考え出して開発するには、ときに何カ月も掛かることがある。しかし、いったんコースに出れば、そのコンポーネントが期待どおりの効果をもたらしてくれるかどうか、そしてドライバーがそれを感じて活用できるかどうかが重要になる」

「私はふたとおりの見方をしている。オペレーション面では、短期的に見て、どうすればマシンパフォーマンスをできるだけ最高のものにできるか考えている。そしてファクトリーでは、より長期的な視点で見ている。ラップタイムがもたらされるかどうかを考えるのは、今後の計画に影響するため非常に重要だ」

 ライバルチームがレッドブルのクルマを指し、ダウンフォースを増やしつつマシンの空気抵抗を減らすことだけに集中していると主張しているなか、ワシェはそのような単純な諸要素を否定する。

「誰でも考えることはできるが、マックス(・フェルスタッペン)の意見は非常に具体的だ。マックスはとても明快で、私はそれが気に入っている」

「我々はあらゆることを考えられるが、実際に対処するのはドライバーだ。彼のレースエンジニアであるジャンピエロ(・ランビアーゼ)が意見を我々に伝えてくれるので、それを物理的な部分に取り入れ、コーナーでの特定の瞬間に彼が正確に何を必要としているか、あまり快適ではないと感じているのはどのエリアなのかを把握することができる」

 今週末のハンガリーGPでは、『RB20』に2回目のアップグレードが導入される予定だ。ワシェがチームを正しい方向に導いているのか、それともニューウェイの離脱がすでにマシンの開発プログラムに悪影響を及ぼしているのか、すぐに分かることだろう。

ライバルチームの躍進により連敗喫したレッドブルF1。技術ボスは「優位性を維持できる」と確信
マックス・フェルスタッペン(左/レッドブル)とピエール・ワシェ(右/レッドブルF1テクニカルディレクター)
ライバルチームの躍進により連敗喫したレッドブルF1。技術ボスは「優位性を維持できる」と確信
2024年F1第12戦イギリスGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)

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