レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

F1 ニュース

投稿日: 2017.04.20 14:52
更新日: 2017.04.20 14:54

F1王者としてインディ500に挑む新人アロンソの勇気【今宮純のザ・ショウダウン】

レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る


F1 | F1王者としてインディ500に挑む新人アロンソの勇気【今宮純のザ・ショウダウン】

 新人ロッシを引っ張り、背後で援護するなど皆でカバーしたアンドレッティ陣営のチームワーク。最後の燃費勝負で緻密な管理を遂行したHPDスタッフ、それらがルーキー優勝を叶えたのだ。レース後、Tエンジニアは「実はターン3ではもう一滴も残っていなかったんです」と、疲れきった表情に半分の笑顔で言った。

 今季第3戦バーバー前に書いているが、ホンダは戦前予想を覆し開幕2連勝スタート、最悪状況のF1とは真逆だ。これから29日に第4戦フェニックス(30日 F1ロシアGP)、5月13日 第5戦インディ・ロードコース(5月14日 F1スペインGP)、そして28日が第6戦インディ500だ(28日 F1モナコGP)。

■F1合同テストよりも濃密な走行スケジュール

 この特別なイベントには、ほかのレースにはない特別なスケジュールがある。15日 午後12時から6時間の“フリー走行”が始まり、16日、17日、18日、19日まで五日間およそ30時間、レース前これだけ走れるのはインディ500だけだ。

 20日と21日に予選、翌22日にも6時間のフリー走行が設けられ、本番二日前の26日に最後の90分間セッションがある。そこでは通常、各チームがチームメイト同士集団のままトラフィックを想定し、超高速戦での“エアロ・チェック”を行う。ダウンフォースやタービュランスの影響を確認、多数エントリ―するチームはより実戦に近いシミュレーションが可能だ。

 今回アロンソともう一人を加えるアンドレッティは6台体制、相互補完することによってデータ収集の効率を高めるに違いない。ちなみにこれまで佐藤琢磨は少数エントリー・チームにいてそうしたデータの不足に悩み、いわば孤軍奮闘しなければならなかった。

 
フェルナンド・アロンソ 

 アロンソがいきなりインディ500に挑戦するのは無謀なことだと、「F1発想的」な見方がヨーロッパ側にある。そう言いきれない理由が事前の濃密スケジュールを知れば分かるだろう。

 一人が四日間ずつの合同テストだけで開幕戦に向かうF1より、はるかに走りこんで本番に臨める。今年序盤のマクラーレン・ホンダの状況にくらべたら事前準備期間はたっぷり、現場エンジニアと日々対話もできる。チームメイトの佐藤たちとフレンドリーに情報交換、アンドレッティ代表はロッシをコーチングした以上にF1王者の“ルーキー”に接するだろう。


関連のニュース