モナコはマクラーレンにとって今季初入賞の最大のチャンスとなるグランプリであると考えられていたが、オーバーテイクが極めて難しいこのコースでグリッドペナルティを受けることになり、そのチャンスは大きく損なわれた。それを承知していたホンダとしては、エレメント交換に最初はちゅうちょしたと、長谷川氏は語っている。
しかしマクラーレンとも慎重に協議した結果、交換せずにそのコンポーネントでレース距離を走ることを目指すのは「リスクが高すぎる」との判断に至ったということだ。
「FP2で走った後、通常、エンジン、MGU-Hなどのすべての回転部品のチェックを行います。その点検のなかで、MGU-Hの回転が通常の状況としては少しおかしいと思いました」と長谷川氏。
「完全におかしかったわけではありませんが、メカニックたちはわずかなフリクションを感じ取ったのです」
「MGU-Hに完全な問題が起きるときには、MGU-Hのタービンが完全にスタックします」
「今回はそういう問題が起きていたわけではありません。ただ、メカニックたちは多少の抵抗を感じ取りました」
「日本サイドと協議し、金曜朝、交換することを決めました」
「100,000rpmで回転するパーツですから、何か異常を感じるようなときには、持ちこたえることはできません。(最後まで持つ)可能性もありましたが、(リスクを冒す)価値はありませんでした」
この記事は国内独占契約により英 AUTOSPORT.com 提供の情報をもとに作成しています