ーーこれまでのF1でのキャリアのなかで、最も思い出深かった出来事は?
ムニョス:ふたつある。ひとつは10年前の話で、2007年のインテルラゴスでの出来事だ。それは私にとって初めてのF1で、それ以前はドイツのDTMで仕事をしていた。初めてパドックに入ったときに、ルノーのエンジニアがレッドブルのスタッフと話しているのを見て衝撃を受けた。
ドイツ人には少々変わったところがあって、私もその考え方に影響を受けていたんだ。DTMでは他のチームスタッフと交流することがあまりない。アウディはアウディ、メルセデスはメルセデスで、互いに話をすることはなかったね。F1のパドックで見た光景に、目の覚める思いがしたよ。
もうひとつの想い出は、2012年にバレンシアで行われたヨーロッパGPだ。フェルナンド(・アロンソ)にとってはホームレースでもあり、当時の私は彼と一緒に仕事をしていた。11位からスタートして優勝したのだけれど、その勝利に私も一役買っていたということが、とても特別な想い出なんだ。
