Kunio Shibata / 柴田久仁夫

ウインターテストといえば、ひっきりなしの赤旗中断が普通。コース上にマシンが立ち往生して、1日に7〜8回セッションが中断されることも珍しくない。ところが今年のバルセロナ合同テストでは、初日の赤旗はハースのロマン・グロージャンが、フロントウイングを飛ばして止まってしまった1回だけだった。

それが2日目になると、午前中にトロロッソのマックス・フェルスタッペン、午後にルノーのジョリオン・パーマーが相次いで止まり、赤旗中断となった。それでも例年に比べれば、ずっと少ない。一昨年からF1に導入されたパワーユニットが成熟し、信頼性が向上したことが一番の理由だろう。

しかし、ルノーのトラブルはターボが原因だった。初日は制御系ソフトの不具合で満足な走行ができていない。トロロッソは現時点で原因が特定できていないが、同じく初日にはギヤボックスにトラブルが出ていた。

両チームに共通するのは、ギリギリまでパワーユニットの供給先が決まらなかったことである。トロロッソはルノーから1年落ちのフェラーリにスイッチ。ルノーはメルセデスを搭載していたロータスの買収に手間取った。その結果、ともに車体とのマッチングの点で、かなりの妥協を迫られている。

テストで起きた両チームのトラブルに、そのハンデがどれだけ影響しているかはわからないが、ともに新車が完成したのは走行初日の明け方だった。トロロッソはカラーリングを施す余裕もなく、ほぼ真っ黒の車体。ルノーは朝8時になっても、電気カッターで何かを切断する音が、閉め切ったガレージ内から聴こえていた。一方メルセデスは、テスト1週間前に余裕のシェイクダウンをシルバーストンで行っている。F1界でのスタートの遅れを挽回するのは難しい。出遅れたチームは、ここから巻き返すことができるだろうか。

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