F1世界選手権を4回獲得したアラン・プロストが、ヨーロッパGPをテレビで観戦して「失望した」と述べた。テレビ番組として「大失敗だった」というのが、その理由だ。
バクーのストリートサーキットは、ドライバーたちには好評だったが、レースそのものは大きな波乱もなく終わった。プロストは、先週末に自分が見たテレビ放映が基準になるとすれば、もはやF1は新しいファンを獲得できないだろうとまで示唆している。
「私は金曜と土曜のセッションをテレビで見ていなかった。だが、ソーシャルメディアで誰もがあのコースを褒めているのは知っていたので、日曜には大きな期待を持ってテレビのスイッチを入れた」

「しかし、私に言わせれば、あのテレビ放送は大失敗だったね。みんなが口を揃えて褒め称えたサーキットには見えなかった。特にカメラの配置が良くなくて、ショーとしての面白さを台無しにしていた」
「クルマのスピードが感じられるのは、左、右と切り返すコーナーの1カ所だけだった。車載カメラでストレートエンドのブレーキングの場面をとらえても、まるでスピード感がないし、ノイズも聞こえず、ドライビングの難しさが少しも伝わってこなかった」
「初めて見たF1がこれだったら、なんだ、自分がいつも乗っている乗用車の運転と同じじゃないかと思うだろうね。F1のドライビングがいかに難しいものか、うまく視聴者に伝わるように工夫すべきだ。あのテレビ放送は本当に退屈だった」