2016年、最初のバルセロナ合同テストがスタートしてまもなく、シェイクダウンを担当していたジェンソン・バトンがマシンを降りて、モーターホームへ向かった。そのときマクラーレン・ホンダにとって2016年も厳しいシーズンになるのではないかと案じた──。

 しかし、それは杞憂に終わった。昨年からチーフエンジニアとして、ホンダの現場エンジニアたちを統率している中村聡は次のように説明する。

「吸気系周辺のある部分に、もともと抱えていた問題があったんですが、今回のテストにはそれを改善する部品が間に合わないということで、トラブルが出るかもしれないとわかりながら走らせていました。だから、もしトラブルが出たら、どう対処すべきかもわかっていて、問題が起きたあとは少しパフォーマンスを犠牲にしてでも周回数を稼ぎたかったので、使い方を変更して走らせることにしました」

 要するに、午前中に見舞われたトラブルは想定内の出来事だったのだ。

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