逆に、この日ホンダは予想を上回る出来事も経験した。一度コクピットを降りながら、再び乗り込んでからはチェッカーフラッグが振られるまでテストを続けたバトンからの、パワーユニットに対する評価である。

「今日一番驚いたのは、デプロイが大きく改善されていたことだ。1日を通して安定して働いていたし、ロングランでも機能していた。デプロイが改善されたおかげで、マシンの他の弱点も明確になり、今後はマシンをより早く進化させていくことができるだろう」

 その言葉を、テスト終了後のデブリーフィングで聞いたという中村チーフエンジニアは「だって、さくらの研究所のエンジニアやミルトンキーンズのスタッフが、ここまで必死に頑張ってくれましたから」と思わず微笑んだ。しかし、こうも続けた。

「でも私たちが目指す目標には、実はまだ足りていない部分もある。もう少し改善したパワーユニットをできるだけ早く投入したい」

 初日マクラーレン・ホンダのバトンが記録したベストタイムは11台中、6位。しかし、タイムよりも走破した周回数に1年間の成長を感じた。バルセロナ合同テスト初日に刻んだ84周は、昨年最初のへレス・テスト4日間での合計79周を、すでに超えている。

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