(10)マーチ711(1971ー1972年)/マクラーレンMP4/10(1995年)

マーチ711(1971ー1972年)

 どちらにするか迷った末に、両方紹介することに決めた。マーチ711を見ると、チーム創設者のロビン・ハード、デザイナーのジェフ・フェリスが、いつも豊かなインスピレーションを得ていたわけではないことがよくわかる。

 マシン挙動も非常に不安定なものだったが、F1デビューして間もなかったロニー・ピーターソンはこのマシンで五度の表彰台を獲得している。太い支柱で支えられた巨大な楕円形フロントウィングが、外観上の最大の特徴。イギリスの戦闘機スピットファイアのウィング形状を基にしたと言われているが、当時は『紅茶盆』と揶揄されていた。

マクラーレンMP4/10(1995年)

 一方のマクラーレンは、空力部門責任者のフランス人アンリ・デュランが、やりたい放題にした結果と言わざるをえない。マクラーレンが初めて採用したハイノーズはボールペンの先端のように不必要なまでに尖っていたし、エンジンカウルに付けられたミニウィングも効果は疑問視された。

 何よりコクピットが狭過ぎ、「まともに乗り降りできない」と訴えたナイジェル・マンセルが開幕2戦を欠場したことで、記憶に残るマシンとなってしまった。

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