☆☆☆☆ フェルナンド・アロンソ
動物的なカンなのか、接近戦で相手の隙を突いていく反射行動は今も高いレベルにある。中国GP55周目、1~2~3コーナーでベッテル相手に見せた動きがまさにそう。
こういう抜き方はアロンソならではでダニエル・リカルドとは違う。相手の動きがスローモーションに映るから、自分はクイックにいける。今のマクラーレン・マシン状態で、傷を負ったフェラーリを斬る技は剣豪の技……。
☆☆☆☆ ダニエル・リカルド
チャンピオンだろうとずばずば抜いていった中国GP、その曲技をたっぷり鑑賞できた。ブレーキングで抜くために、ペダルストロークに特殊な設定をしているのだろう。
蹴っ飛ばすような踏力に見合う減速力、マックス・フェルスタッペンとは違うと思われる。今年3戦で2度目の最速ラップ、レース中の速さ(ペース)は秀逸だ。明らかに予選よりレース・セッティングに向けたセットアップをよく考えている。
☆☆☆☆☆ キミ・ライコネン
「もう怒れよ、キミ!」。合同テスト段階から、個人的にSF71Hはフロント挙動が彼にぴったりと言ってきた。
この2連戦もフリー走行でベッテルより遅かったのは、たったの1セッションだけ。乗れているのになぜか予選コースイン順など不可解で、決勝でもチームはほったらかし。
なにか契約書の最後ページに“留意事項”でもあるのか。
「①チームの判断は常に正しい。②チームは誤りを犯す、しかしそう思ったときは①に従うこと……」
何かをのみこみ、我慢しながらコース上を疾走するライコネン、イタリア・メディアが彼に同情するのも当然のこと。こんなことが続くと、もう辞めてしまうかも……。