ところが今回に限っては、1周目にいくつかポジションを落としてしまった。ターン2から3にかけての多重事故は辛くも避けたものの、後続車に抜かれて行ったのだ。すぐにフォース・インディアのエステバン・オコンはかわしたが、ザウバーのシャルル・ルクレールには追い付くどころか、逆にじりじりと離されていった。
1回目のピットイン後も、再びルクレールの後ろでコース復帰。しばらくはガマンの走りを強いられたが、ミディアムのペースはザウバーに優っていた。ようやくオーバーテイクに成功し、8番手に浮上。そのままチェッカーを受け、開幕から5戦連続の入賞を果たした。
8番グリッドから順位を6つ上げることはかなわなかったが、レース後のアロンソは満足そう。
「アゼルバイジャンでは明らかに(予選での)ルノーの速さに遅れを取っていたが、今回はルノーとハースには追い付いたと思う」と、アップデートの効果を強調していた。
ただし賢明なアロンソのことだから、マクラーレンの車体が昔からこのサーキットに合ってることに、気づいてないはずはない。なんたってどん底状態の去年のマクラーレン・ホンダですら、今回以上の7番グリッドを獲得しているのだから。
はたして次戦モナコ以降も、中団トップで戦い続けられるのか。その結果次第で、アロンソは来季以降の身の振り方を決めることになりそうだ。

