経済的にもメリットがある。それはカスタマーチームは代金を支払ってPUを購入しているのに対して、ワークス体制は無償でPUの供給を受けることができる点だ。PUの代金はマニュファラクチャーによっても異なるが、年間25億円から35億円だと言われている。

 もし、ルノーからホンダにスイッチして、ワークス体制を得られれば、いまよりも車体側の要求に合わせたPUの提供を受けることができるだけでなく、いままでルノーに支払っていたPUの代金を別の開発費に使うことができる。それならば、ホンダのPUの性能がルノーと同等か、それよりも多少性能が低くても、レッドブルにとってはメリットのほうが大きいという判断を下すのではないかというのが、大方の予想だ。

 もちろん、これはあくまでレッドブル以外のレース関係者の予想で、最終的にレッドブルがどのような判断を下すのかは、2週間後にしかわからない。だが、カナダGPでのホーナーのコメントを聞く限り、レッドブルの内部では答えはほぼ出ており、現在は契約する相手のPUマニュファラクチャーと細部を調整しているのではないかと考えれる。

 というのも、もしも予想どおりレッドブルがホンダとパートナーを組んでワークス体制となっても、いくつかの点でこれまでのワークス体制とは異なる形態をとらなければならないという課題が残されているからだ。その課題については、次の機会に説明したい思う。

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