■オーダーメイドのバケットシート(メルセデス、フェラーリ)
カーボンファイバー製のF1用バケットシートは、ドライバーひとりひとりの体格に合わせたオーダーメイド仕様である。シートは実に薄く、ほんの数ミリの厚さしかない。
1999年以来、バケットシートはマシンへの固定が禁じられた。その結果、事故でドライバーが自力で脱出できなくても、シートに座ったまま引き出すことが可能になった。バケットシート背面に見えるベージュと赤、青のベルトは、ドライバーをシートごと引き出すためである(写真参照)。
フェラーリとメルセデスではシート形状が微妙に違うものの、機能は同じである。臀部から太ももにかけての凹凸を見るだけでも、シートの薄さが窺えると思う。