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F1 ニュース

投稿日: 2018.10.19 14:32

【小松礼雄のF1本音コラム】ダンプコンディションを読み切った会心の選択&最高に楽しかった日本GP鈴鹿の予選

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F1 | 【小松礼雄のF1本音コラム】ダンプコンディションを読み切った会心の選択&最高に楽しかった日本GP鈴鹿の予選

 そして最後の勝負のQ3。雨足は弱まったものの、Q2終了後も雨は降り続けていました。それでも、この程度の雨足なら風が相変わらず強かったですし、結構路面は乾いていたのでドライで行ける可能性が高いんじゃないかと考えました。

 とは言っても、Q3開始直後はまだ路面があまり良くないはずです。その場合は待てるだけ待ってからドライで行くのが一番いい。しかし、雨雲レーダーはかなりの雨が直ぐそこまで迫っていることを示していました。

 予測ではその雨がサーキットの上にくるのはセッション開始4、5分後。ということはアタックをかけるベストのタイミングはセッション開始2、3分後。しかし、天気はなんと言っても予報ですから、それをどこまでギリギリに攻めるかというのは難しい判断です。

 幸いフェラーリ勢がセッション開始前からピットレーンにクルマを出して、セッション開始と同時にコースインしたので路面状態を直ぐに映像で確認することができました。それを見て、セクター1がこの時点であれだけ乾いているなら、ほぼ直ぐにドライで行って大丈夫と思ったので、自信を持ってロマンを送り出しました。

 当初はアタック2回分の燃料を積む予定でしたが、土壇場で1発勝負と踏んで、アタック1回分の燃料に変更しました。しかも1回目のアタックをした中ではロマンが最後だったので、路面が最も良いタイミングでアタックできました。

 スプーン出口の縁石がまだ濡れており、それに乗りすぎてタイムをロスしたものの、ロマンは5番手タイムを出してくれました。タイヤ選択、アタックのタイミング、燃料搭載量などチームクルーの作業がすべてうまくいった、まさに会心の予選でした。僕がF1で働いてもう15年になりますけど、こんなに楽しかった予選は久しぶりです。こんな時はこの世界で仕事ができて、ほんとに幸せだなと思います。

 決勝ではロマンが7位を長いこと走行していましたが、残念ながらバーチャルセーフティカー(VSC)解除直後にペレスにかわされて8位に終わりました。ロマンがレース後に「ペレスはレギュレーション違反ではないか?」と発言していましたが、それは彼の勘違いです。

 バーチャルセーフティカーが出ている時は安全のため、規定タイムより常に遅く走らなければいけません。ロマンは大体規定タイムより1秒遅く走っていたのでが、後ろにいたペレスはある時は規定タイムより3秒以上遅く走っていました。「VSCエンディング」のメッセージが出た時点でペレスはロマンより3秒ほど後ろにいたのですが、その後彼はほど規定タイムギリギリまでスピードアップして来たのでVSCが実際に解除された時はロマンのコンマ5秒後ろまで迫ってきていたのです。

 これでロマンは「自分はずっと規定タイムで走っているのに、突然差を詰められるわけは無い」と考え、ペレスは規定タイムより速く走ったに違いないと思い込んだわけです。しかし実際はペレスは常に規定タイムより遅く走っていたので何の違反もしていないんです。残念ながらペレスの方が一枚上手だったわけです。

 ロマンはVSC解除後のヘアピンの入口で一度、ペレスに抜かされかけたのですが、そこは何とか抑えました。しかし、その後のシケインでかわされてしまいました。もしかしたら、ロマンが抜かれた映像を見ていて、なぜロマンはコースをいっぱいに使ってディフェンスしなかったのか? と疑問に思った人もいたかもしれません。

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