しかし予想外の不運が起きた。セーフティカーがコースインするタイミングが遅く、1〜3位の集団を抑え切れず、4位のガスリーの前に入ってしまった。さらに不可解なことに、ガスリー以下の集団をそのまま何周も先導し続けてしまい、自由に走れる上位3台は余裕でポジションをキープしたままタイヤ交換を済ませ、1周先行するかたちで隊列の最後尾に追い付いてしまった。

 ようやく4位以下の集団を前に行かせた頃には時にすでに遅し。24周目のレース再開からソフトタイヤの上位3台は猛然とプッシュし、失格前の予選では2番手タイムだったジョビナッツィが本領発揮しマルヤとマルチェロを次々と抜き去ってなんと優勝をかっさらってしまった。9番手でレース再開を迎えた松下は、ペースが上がらずに抜かれて得点圏外の11位でレースを終えた。

「抜けると思ったんですけど、オプションタイヤのバランスが悪くてグリップが感じられませんでした。それ以外は完璧だったしプライムタイヤ(ミディアム)はすごく良かったんですけど、とにかく今日は4位以下のドライバーはみんな納得していないですよね」

 多くのチームが不満を訴えたものの、レース結果が覆ることはなかった。レース2ではスタートが荒れ、出遅れたポールのミッチ・エバンスにオリバー・ローランドがターン1手前で僅かに接触、続くロッジアではエバンスがマリヤに追突されてスピンしリタイア。ジョビナッツィも出口で僅かにマリヤに当たって右のフロントフラップを失った。

 11番グリッドから好スタートを決めた松下はこの時点で6位まで浮上してみせた。しかしストレートが伸びないのは相変わらずで、後方からアルテム・マルケロフの猛攻に遭い、11周目のストレートでポジションを奪われる。さらに後方にはアレックス・リンがぴたりと付けた。

「スタートは普通に決めたんですけど、(アルテム・)マルケロフのペースが速くて、抜かれた後はついていけませんでした。リンよりは僕の方が速かったので抑えていたんですけど、最終ラップは3台でのバトルになって……」

 最終ラップのアスカリ出口で、タイヤが垂れてペースが落ちたジョーダン・キングをマルケロフが捉えようとするがブロックされ、そこに追い付いた松下はストレートでアウト側にマシンを並べようとする。その隙をリンに突かれてイン側に並ばれ、次の最終パラボリカでインを刺されてしまった。

「アスカリの出口からパラボリカでリンがインに行って、僕はブレーキングでふらついてそのままインを刺されてしまって、最後はもの凄く僅差で前に行かれました」

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