パワーユニットは依然としてこの日もノートラブルでテストを完了した。
ホンダはテスト1週目に使用したパワーユニットをそのままバルセロナに留めおき、インターバルの間にチェック作業を行った。田辺豊治テクニカルディレクターは「当初の計画に沿って使用しています」とだけ述べ詳細を明らかにしないものの、必要な対処は施しながら2週目にも引き続き使用することでさらにマイレージを稼いで実走で耐久性を確認しようという腹づもりのようだ。
トロロッソ側で4日間使用したパワーユニットは482周(2243.71km)を走破しており、これは3レース週末分にあたる。今週4日間も走り切れば、合計で6レース週末分を走ることも可能で、それだけ走れれば年間3基で走るための耐久性が確認できたと言えることになる。
加えて、テスト2週目ではチームとして予選・レースシミュレーションを行うこともあって、ホンダとしても木曜から日曜までのレース週末全体を想定した運営のシミュレーションを行うという。つまりパワーユニットのハードウェアそのもののテストだけでなく、パワーユニット供給者としてのレース全体のテストでもあるというわけだ。
「もちろんレッドブルとは事前に詳細を付き合わせて話し合ってきましたが、実戦の現場で『え、そんなことがあるの?』とドタバタするようなことがないようにここでしっかりと一度シミュレーションをします」(田辺テクニカルディレクター)
つまり、このテスト2週目はRB15のポテンシャルを最大限に引き出す作業だけでなく、レッドブル・ホンダというチームとしてのテストでもあるのだ。
「とにかく今のところ予定していたプログラムは全てこなせているし、テスト内容はポジティブだよ」
依然としてあまり多くを語りはしないが、ガスリーの表情は明るく自信に満ちている。
残り3日間でレッドブル・ホンダに期待すべきは、どのような走りを見せるのかというだけでなく、レース週末を想定してどんな戦いぶりを見せるのかというチームとしての総合力への期待でもあるのだ。

