「これまでの数週間と今後の数週間は、この先数カ月にわたるチームの方向性を見つける上で非常に重要な時期だと思う」
興味深いことに、ベッテルのそうしたコメントからは、マシンから最大の力を引き出すにあたって彼自身が抱える困難もうかがい知れる。
SF90に問題があるとしても、ルクレールはそのマシン特性にあまり影響を受けていないように見えるからだ。これはふたりのドライバーのドライビングスタイルが対照的だからなのかもしれない。
「セブ(セバスチャン・ベッテル)と僕のドライビングスタイルは、バルセロナ以降ずっと、かなり違うものだと思っている」とルクレールは語った。
「だから、マシンに変更を加える必要があるし、それぞれのマシンには微妙に異なるバランスが要求される。詳細には踏み込まないけれど、当然のことながら、ふたりが完全に同じマシンを必要としてはいないんだ」
SF90の欠点について、ベッテルとルクレールは共通の認識を持っているようだ。しかし、今後短期的に行われる開発作業で、マシンはベッテルにとってより良いものになるのだろうか。それともルクレールの求めからは離れたものになってしまうのか。もしくは、ふたりのドライバーそれぞれに有益なものとなるのだろうか?
今週行われる第4戦アゼルバイジャンGPで、フェラーリの方向性がより明確に見えてくれば、そうした疑問に対するいくつかの答えも見つかるのかもしれない。