ハミルトンは、ハイドロリック・バルブのトラブルで金曜の走行時間の一部を失っており、これによる周回数不足のため、セットアップの正しい方向性を見つけられなかったと、ウォルフは言う。

「当て推量でセットアップを進めることはできない。彼が選んだアプローチは間違っていなかったと思う。ただ、特定の方向性を決められないうちに、時間切れになってしまい、そこから先へ進めなかったんだ。それは単純に走行時間が足りなかったためだ」

 また、ウォルフは、昨年チームがシンガポールで直面したトラブルについて、その根本原因を探し当てたチームの努力を「誇りに思う」とも述べている。

「昨年のここでのパフォーマンス不足が、きわめて深刻なものだったために、結果として新しい考え方が開拓されることになった」

「昨年のレース後、これは危機的な状況だと感じた私たちは、トラブルについて真剣に議論した。実際、この問題が鈴鹿以降のレースでも続くかもしれないという恐れもあったからだ。だが、私たちはパニックには陥らず、少人数のグループに2日間にわたってデータの分析に専念させる一方で、他のスタッフには鈴鹿への準備に集中させた」

「(ニコがポールを獲ったことは)私たちが昨年のクルマの弱点がどこにあったのか、正確に理解していた証拠と言えるだろう」

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