では、ガスリーの今年の成績はどうだったか。予選、レースとも1勝11敗と一方的な内容だった。ちなみにクビアトの1年目の2015年の12戦目までのリカルドに対する成績は、予選は5勝7敗で、レースでも6勝6敗と接近していた。レッドブルにとって、ガスリーがいかにアンダーパフォーマンスだったか理解できる。

 しかも、今年のガスリーは肝心のレースでも冴えなかった。他車を抜きあぐねる一方で、格下とも思えるライバルからオーバーテイクされていたのだ。例えば、開幕戦ではトロロッソのクビアトを最後まで抜けなかった。2戦目のバーレーンGPではマクラーレンのランド・ノリスにオーバーテイクを許す。

 第7戦カナダGPではランス・ストロール(レーシングポイント)を抜けず、8戦目のフランスGPと9戦目のオーストリアGPでは3強チームで唯一の周回遅れとなった。第11戦ドイツGPではアルボンを抜こうして追突。第12戦ハンガリーGPではスタート直後にマクラーレンの2台とキミ・ライコネン(アルファロメオ)にも抜かれる失態を演じていた。

 予選が遅く、スタートでのミスも多く、バトルで競り負けるという三重苦に陥り、精神的にも疲弊していたガスリーが降格するのは、時間の問題だった。

 クビアトを降格させた3年目の決定が『非情人事』だとすれば、今回はむしろ『有情人事』であり、もしこのままガスリーをレッドブルで走らせ続ければ、ガスリーは完膚なきまでに叩きのめされ、それこそガスリーのレースキャリアにピリオドを打ちかねない非情な人事となっていたかもしれない。

 夏休み期間中の発表は、ガスリーが次戦ベルギーGPまでに気持ちを切り替えるための余裕を与えるだけでなく、トロロッソのシミュレーターに乗るなどして、実践的な準備もできるという時間的な余裕を与えることができるという点からも、合理的な決定だったのではないだろうか。

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