しかし、その後、車載カメラの映像を通して、ベッテルにジャンプスタートの疑いが浮上すると、レース審議委員会は審議を開始。FIAのデータを精査する。午後2時13分にスタートしたにもかかわらず、審議が開始されたのが午後2時27分と、14分後だったのはそのためだった。

14時27分にセバスチャン・ベッテルのスタートについて審議開始
14時27分にセバスチャン・ベッテルのスタートについて審議開始

 そこでレース審議委員会は「車載カメラの映像では動いたことが示されているが、その動きはF1のジャンプスタートシステムの許容範囲内であった」と判断し、不問に付した。

 これは2017年のオーストリアGPでのバルテリ・ボッタス(メルセデス)のスタートが、ジャンプスタートと認定されなかったのと同じ理由だ。つまり、F1におけるジャンプスタートの定義とは、陸上競技やスピードスケードのスタートとは違って、グリッド上の白線内でわずかに動いても、それで即ジャンプスタートと認定されないシステムとなっている。

 逆にロシアGPでのライコネンのケースは、グリッド上の白線を大きく超えてしまったため、システムが「ジャンプスタート」と反応した。ベッテルとライコネンの差は動いた後に止まったかどうかではなく、どれだけ動いてしまったかが問題となったわけだ。

 つまり、ベッテルの審議は遅れたわけではなく、元々システム上ではジャンプスタートではなかったものを、映像を見たレース審議委員会が念のために調査し、最終的にシロという裁定を下しただけ。「フェラーリだから……」という推測は、この場合、まったく当てはまらない。

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