さらに注目すべきは、ホンダが標高2000m超というメキシコの特殊な環境ではなく、ほぼ平地であるアメリカGPが開催されたサーキット・オブ・ジ・アメリカでも、ポールポジションを狙えるだけのスピードを披露したことだ。レッドブルがアメリカGPで予選で3番手以内となったのは、2016年以来3年ぶりのことで、その3年前もポールポジションから0.51秒も遅れていた。つまり、レッドブルとしてもここまでメルセデスとアメリカGPで互角に戦ったことはなかった。
もちろん、そこにはレッドブルの車体性能が大きく関係しているが、パワーユニットの性能面でもホンダがメルセデスにかなり肉薄していることを忘れてはならない。以下はアメリカGPの予選で、ポールポジションのボッタスと3位のフェルスタッペンのそれぞれの自己ベストをマークしたときの各セクタータイムと通過速度だ。
ボッタス | フェルスタッペン | |
---|---|---|
セクター1(通過速度) | 24.758秒(246.0km) | 24.706秒(254.5km) |
セクター2(通過速度) | 36.718秒(196.9km) | 36.968秒(195.2km) |
セクター3(通過速度) | 30.533秒(215.3km) | 30.422秒(210.3km) |
最高速 | 325km | 323km |
このように期間タイムとキー区間スピード、そして最高速がほぼ同じなのである。もし、レッドブルの車体のほうがメルセデスよりも少し上だとしても、パワーユニットの性能差はホンダが若干下回る程度。仮に車体性能が同じなら、パワーユニットの性能はほぼ一緒であることを示す。
ホンダのパワーユニットがここに来て、力強いパフォーマンスを見せていることは、PU供給しているもう1チームのトロロッソの成績を見てもわかる。昨年のメキシコGPは予選14番手と15番手、アメリカGPも13番手と14番手だったが、今年はメキシコGPは2台そろって、アメリカGPは1台のみだが予選Q3に進出。コンストラクターズ選手権でメルセデスPUを搭載しているレーシングポイントと激しい6位争いを行なっている。
■ホンダF1辛口コラム メキシコ&アメリカGP編
優勝のチャンスを棒に振った2連戦。レッドブルが足を引っ張る結果に